優しい記憶2 (ページ10)

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60.Nside ページ10

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今日は物件を決めるためにリーダーと一緒に、翔ちゃんが待つ病室へ行くことにした。

和「きっと…覚えてるよね？」
智「覚えてるって信じよ？」

一昨日は嵐全員、看護士さんから呼ばれたから揃えたけれど、昨日はみんな仕事で誰も会いに行けなかった。

だから1日空いたせいで忘れちゃったんじゃないかとまた不安になってしまう。

そのためのシェアハウスなのに…。

コンコン

リーダーが病室のドアをノックした。

もう重病患者の扱いじゃなくなった翔ちゃんは部屋を移動したようで、前はあった大きな窓が無くて、中の様子が覗けない。

翔「はーい！」

一昨日返ってきた返事と似ていて安心した。

和「失礼しま〜す。」

入ると翔ちゃんはベッドの上には居らず、服を着替えていた。

智「え…ちょ、何してるの？！」
翔「見ての通り着替えだよ。」
智「それパジャマじゃないよね？」
翔「あ、俺退院するの。」
和「いつ？！」
翔「今日。」

若干間があった。

時間が必要だった。

和・智「えー！！！！」
翔「しー！ここ病院！」
和「あ、ごめん。」

前に俺が相葉さんに注意されたことを、今度は俺が注意されてしまった。

智「おめでとう！翔くん！携帯で知らせてくれたら良かったのに…(笑)」
翔「直接言いたくて！でもみんな昨日来なかったから、じゃあサプライズで驚かせてやろうって思ったの(笑)」

十分驚いた…(笑)

智「翔くん、退院祝いはないけど…。早速おいら達、物件探してるんだけど、どんな物件がいいかな〜って。」
翔「あ、それ？」

翔ちゃんが指さしたのは、俺が持っていた手提げカバンだった。

和「そう！間取り図と物件情報。」
翔「なんか5人で自然と集まれる空間がいいな〜。リビングがあって、もちろんプライベート空間もある方がいいな〜。」

翔ちゃんの理想を拾い集めて物件情報を探る。

和「これは？」
智「これなら5人分個人の部屋があるね！」
翔「リビングも広そうだね！ここがいいな！」

3人で詰め寄って見た物件の間取り図は、俺の中で5人で暮らす想像を掻き立ててくれた。

和「じゃあ、早速ここで契約してこよ！」
翔「そろそろ俺も準備終わるから、待っててもらってもいい？」
智「もちろん！一緒に行こ！」

すごく楽しみで外が嫌いな俺も今日は太陽がありがたいように感じる。(笑)

神様が微笑んでくれたのはまだ始まったばかり。