優しい記憶2 (ページ9)

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59.Sside ページ9

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コンコン

翔「はい！」
医「失礼します。おはようございます。」
翔「…おはようございます。」
医「僕のこと覚えてないですか？」
翔「すみません…。」

いつも会ってるような気がするのに、なぜだかどんな人だったか思い出せない。

医「僕は櫻井さんの担当医です。」
翔「あ！そうでした。すみません。」
医「いいんですよ。昨日あったこと思い出せますか？」

昨日のあの愛しい時間だけは覚えている。

今も目を瞑ればみんなの笑顔が鮮明に見えてくる。

翔「はい。覚えてます。嵐のみんなと会いました。」
医「そうです。櫻井さん、退院後はどうされる予定ですか？」
翔「みんなでシェアハウスをします。俺の仕事は話にはならなかったんですけど、まずはみんなで暮らしてみようってことになって。」

それを言った瞬間、先生の表情は笑顔に取り憑かれた。

医「シェアハウス！いいですね！誰かと一緒に暮らすことでルールが増えると思うんですけど、そのルールを覚えたり、プライベート空間とシェア空間を設けることで、メリハリがついてボケ予防になるんです。」
翔「そうなんですか。」

先生が急にテンションを上げて言うもんだから、俺の相槌がテンション低く見えてしまう。

医「退院日、明日以降ならいつでも構いません。都合のいい日を選んでください。」
翔「じゃあ、明日でお願いします。」
医「分かりました！じゃあ退院手続きの準備をしましょう！」

1日でも早く退院してみんなに会いたくて…

明日は誰が来てくれるか分からないけれど、勝手に決めてしまった。(笑)

退院したらみんなびっくりしちゃうかな？(笑)

そんなことを思いながら、想像すると可笑しくて笑ってしまう。

早くシェアハウスしたいな…。