優しい記憶2 (ページ4)

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54.Nside ページ4

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和「翔ちゃん…。」

廊下から見えるように作られてる大きな窓を覗くと、中にはベッドの上で怯えきってる翔ちゃんが見える。

雅「それで本当にいいの？」
和「え…？」
雅「ニノは嵐が終わってもいいと思ってるんだ。翔ちゃんも回復しないって？そんな生半可な気持ちでやってたんだ。翔ちゃんの命をなんだと思ってるの？都合良く使い終わった道具のように捨てるわけ？あーあ、すっごく可哀想。…俺は、嫌だからね。」

嫌味を言ってくるのかと思って伏せてた顔を上げると、相葉くんは泣いていた。

嵐イチ純粋無垢な彼が泣いていた。

…ああ、泣かせちゃったんだ。

雅「俺…やだよ…嵐、無くさないで…！」
和「…ッ、」

相葉くんに両肩を強く掴まれ、揺さぶられた。

雅「返せよ…！嵐、返してよ！！なんで…なんで翔ちゃんなんだよ！！」

…それは俺だって思ってる。

なんで今なんだ…なんで翔ちゃんなんだ。

なんで嵐がこんな運命を辿らなきゃいけないんだ…。

和「…俺も、思ってるよ。翔ちゃんじゃなきゃ出来ない事いっぱいあるのに…なんで翔ちゃんを壊しちゃうかな…なんで、嵐が壊れなきゃいけないのかな…。神様は本当に意地悪…。」

ほぼ独り言のように呟いた。

相葉くんは完全に崩れ落ち、床にペタンと座り込んでしまった。

これが…嵐の終わりになるなんて…。

和「大野さん遅いな…。」

そう呟いたら相葉くんが顔を上げた。

雅「リーダー、もう来ない気がする。」
和「嫌、変なこと言わないでよ。」
雅「ごめん…何となくそんな気がして…。」
和「たまに出る相葉くんの勘って的中しちゃうんだから…。」

相葉くんの勘は昔からよく当たる。

どうでもいいことは的外れなのに、肝心な時は当たる。

大野さんがいなくなってたまるか…。