優しい記憶2 (ページ18)

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68.Sside 最終回ページ18

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俺が嵐に復帰するのは、そう長くはかからなかった。

ZERO復帰後2週目の日に嵐としての復帰が決まり、何も直接お知らせすることが出来なかったのに、ファンは歓迎してくれた。

ZEROの次の日にレギュラー番組を録り、俺の復帰を自分の口で知らせることができた。

それからたくさん長い時間はあっという間に流れた。

ライブ公演が決まり、今日はライブのオーラス公演。

俺はここでみんなに伝えたいことがあるんだ。

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翔「皆さん、今日は来てくださってありがとうございました。」

様々な方向に何度も深いお辞儀をする。

翔「僕は今年、記憶を失いました。記憶を失ったことで何度も自分を恨みました。大切な人を傷付けて、たくさんの人に迷惑を掛けました。」

鼻をすする音が何処からかして、不意に後ろを向くと、相葉くんが泣いていた。(笑)

翔「でも、記憶を初めて失って気付いたこともありました。それはみんなの優しさです。みんなとても温かかったんだって、再認識しました。メンバーだってちゃんと僕を見捨てずに一緒に歩んでくれました。本当にありがとう。」

ファンの方々にお辞儀をし、メンバーにも頭を下げた。

顔を上げるとみんな目を真っ赤にしてた(笑)

翔「みんなが居るから、記憶を失った自分を恨まなくなりました。みんなが居るから、俺は復帰ができました。みんなが居るから、俺は頑張れるんです。」

翔「…僕がここに立てるようになったのは、優しい記憶があったからです。これが僕の生きる道なんだ。記憶の失くした日々だって、それが僕の生きる道なんだ。だから、もう後悔しません。前を向いてここに居る5人で、歩んでいきます。本当に今日はありがとうございました。」

何秒だか何分だか分からない。

だけど俺は頭を下げ続けた。

拍手はその間、ずっと鳴り響いた。

俺は今日もここにいる。

ここに生きてる。

この道を選んだのも俺なんだ。

これが僕の生きる道なんだ。