優しい記憶2 (ページ17)

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67.Sside ページ17

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智・翔「行ってきます！」
雅・和・潤「行ってらっしゃい！」

みんなに挨拶をして、予約していたタクシーで事務所まで向かう。

智「不安？」
翔「なんで？」
智「顔が堅いから。」

智くんの観察力には時々驚くことがある。

翔「ちょっと緊張してるだけ(笑)」
智「翔くんが緊張するって珍しいね。」
翔「知らない人だと思ってたら、知ってた人だったってことがあったら、嫌だなと思って。」

知らない新人さんだと思って声を掛けたら、元々知ってた人でしたなんて言われたら、そのスタッフさんも傷付くし、俺も傷付くから…。

智「大丈夫だよ。みんな優しいから。ちゃんと翔くんのこと、理解してくれてるよ。」
翔「そうかな？…そうだといいな。」
智「絶対そう！じゃなきゃ、おいらが許さない！」

そう言いながら俺の手を力強く握ってくれた。

翔「ありがとう(笑)」

事務所に着いてからは、智くんが先頭で歩いてくれて、俺はそれについて行くようにした。

智「ほら翔くん入って！」

手招きされて入った部屋は社長室だった。

ジャ「やぁ！久しぶり！」
翔「ご無沙汰しております。」
ジャ「Youが復帰することを報告したら、早速ZEROをもう一度やってくれってオファーが来たよ。」
翔「え！？そうなんですか！ありがとうございます！！」

椅子に座る間もなくジャニーさんは嬉しい報告をしてくれた。

ジャ「Youが復帰してくれること、僕も大歓迎だよ！」
智「よかったね、翔くん！」
翔「ありがとうございます！ご期待に添えるよう精一杯頑張らせていただきます！」

社長室を出れば、事務所の社員さんが廊下の両サイドを挟んで待ち構えていた。

翔「ありがとうございます！」
ス「本当に良かった！これからもよろしくお願いします！！」
翔「はい！！」

拍手をされながら外に出て、タクシーに乗り込んだ。

智「翔くん愛されてるね〜(笑)」
翔「俺も今実感したよ(笑)」

初めて記憶を失ってしまった自分を恨むことを止めた気がした。

悪いことばかりでは無かったと今思う。

智「おいら達も翔くんのこと愛してるけどね！以後、お見知り置きを！」
翔「もう知ってる！(笑)」
智「あれれ？知ってた？(笑)じゃあ、もう少し次からは頼ってよね！」
翔「うん、ありがとう。」

みんなに支えられて、俺はここに居るんだ。

そう再認識した。