優しい記憶2 (ページ2)

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52.Aside ページ2

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雅「お疲れ様でした〜。」
ス「お疲れ様でした！」

今日はいつもよりも収録が早く終わった。

上手く巻けたみたい(笑)

雅「あ！マネージャー！早く終わったから、翔ちゃんところ行っていい？」
マ「いいよ。」

許可を貰ったところで、楽屋に入り帰る支度をする。

普通なら行っても面会は30分程度しかできない予定だったけど、今から行けば2時間くらいは面会ができると思う。

雅「あ、携帯忘れるところだった！」

極めて軽装な俺は、中身の少ない小さな鞄に、携帯と鍵と財布が入ってるくらい。

携帯は呼ばれるまで構っていたから、机の上に放置していた。

…危ない危ない。

いくら信頼できるスタッフとは言え、対面したことのないスタッフは…なんともいえない。

雅「マネージャー！お待たせ！」
マ「そのまま病院に行くでいいよね。」
雅「うん！よろしく！」

携帯を開きながらマネージャーに伝える。

雅「え…。」

俺は見てしまった。

雅「翔ちゃんの容態が急変…！？」
マ「え？なんか言った？」
雅「翔ちゃんの容態が急変したって…。」
マ「本当に！？じゃあ急ぐよ！」

呆気に取られて、マネージャーに返事すら出来なかった。

翔ちゃん…もしかして俺らのこと忘れたの？

ピロン♪

俺の気持ちには全く合っていない音が鳴った。

『翔ちゃんは家族のことも忘れてるみたい。』

グループLINEにそれだけ書いたニノからのメッセージ…。

俺は絶望を感じた…。

『明日、実は翔ちゃんの所にみんな行けないの。でも、LINEはするからいつでも返信待ってるよ。』

そう送った翔ちゃんへの文面は、昨日送ったまま何も返ってきていなかった。

変化のない画面…。

きっと…俺達のことも…。

雅「忘れられたんだ…。」

誰1人覚えていない翔ちゃんは、誰を頼って行けばいいの…？

俺達が会いに行って翔ちゃんがまた前みたいになれるように、変われるかな…？

そんな簡単なことじゃないよね…。