51.Nside ページ1
･
和「マネージャー！山風病院まで急いで！」
マ「翔くん、何かあったの？」
和「容態が急変したって。仕事、延期できないかな？」
マ「あとはラジオの収録が1本だけ残ってるだけだから、延期できると思うよ。」
和「じゃあ、お願いしていい？」
マ「うん、先に車乗ってて！お願いしてくるから！」
和「ありがとう。」
マネージャーの優しさに感謝しつつ、楽屋から荷物を取って急いで車まで向かった。
翔ちゃん…今どんな状態なんだろう…。
『翔ちゃん、明日みんな行けない。ごめんね？でも、明日はグループでLINEしようってことになってるから、いつでも返事送ってね。』
個人的に翔ちゃんに送ったLINEは、既読が付かないまま時が止まっていた。
もし…俺達のこと、忘れてたらどうしよう…。
なんて声をかければいいかな…？
なんて話したら、思い出してくれるかな？
今、どんなことを思ってるのかな…？
きっと怖いだろうな…。
記憶が無くて知らない人達に囲まれるの…。
マ「お待たせしました！行きましょう！」
和「うん。」
何だか自信が無くなってきた…。
あんだけ強気なことを口にしてたはずなのに、本当に翔ちゃんの記憶の中から俺達を思い出させることなんて…できるのだろうか。
マ「さっき、翔くんのお母さんから電話があって、もう…家族のことは覚えていないって…。何の声を掛けても"嫌だ…！やめて…！許して…！"の一点張りなんだって…。」
正直…家族まで忘れてるのに、俺達のことを覚えてくれてるなんて思えなかった…。
和「じゃあ、俺達のことも忘れちゃってるのかな？」
マ「いや、覚えてくれてるって信じよ？」
和「…そうだね。」
あまり期待しない方がいい。
期待して裏切られた時、自分でも嫌になるほど
現状を受け止められなくなるんだ…。
そうやって、前に学んだから…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 183人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きき | 作成日時：2017年4月12日 7時
