For dream twenty years (ページ29)

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28.Nside ページ29

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潤『お土産買ったからどこかで集まらない？今、翔くんの所にいるんだけど。』

潤くんのLINEを受け取ったから

何回かの会話を交わした後、

翔ちゃんの病室に集まることになった。

俺はCMの撮影で今日は終わりだったから

割と早めに病室の前に着いた。

コンコン…

和「おはようございます。」

潤「おはよ。」

どこか力の抜けた目の潤くんが

こちらを見てきた。

和「…大丈夫？」

不意に自分の口から飛び出してきた

そんなありふれた言葉。

潤「俺？うん、大丈夫だよ。」

予想通りの回答。

当たり障りのない空気感がもどかしい。

和「そっか。いつからいるの？」

潤「面会時間が始まったくらいから。」

和「仕事あったんじゃないの？」

潤「今日は夜中から始まった撮影だったから。スタートが早かった。」

和「それは大変だね…。」

たわいもない会話と言われればそれまでだ。

確かにいつも通りの会話だけど

痒い所に手が届かない時に近い感覚が

ずっと身体を走っていてムズムズした。

本当は潤くんまで消えちゃいそうだなとか

このままで嵐が元に戻るのかな？とか

色々あるのに。

そんな深いこと一つも言えなくて。

まだ遠慮してる自分がいる。

潤「あ、これお土産。良かったら食べて。」

和「ありがとう。」

普段の俺ならボケの一つでも入れるんだけど

そんなワードすら思いつかない。

ずっと空回りしてるな…。

潤「翔くん…！？」

和「え…？」

急に潤くんが翔ちゃんを呼ぶから

慌てて翔ちゃんの顔を見た。

和「翔ちゃん…？」

まるで俺の声が聞こえたみたいに

翔ちゃんの瞼がゆっくりゆっくりと

開かれた。

やっと…だ。

やっと…

俺たちも前進できるんだ。

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そう思ってたのは

思い上がりだったのかな…？