For dream twenty years (ページ11)

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10.Oside ページ11

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ビールをリビングの机に置いて

いつもの定位置であるソファーに腰掛けた。

テレビのチャンネルは

日テレに合わせて23時になるのを待った。

"ZERO〜♪"

お決まりのテーマソングを聞いたら

村尾さんと翔くんが並んで挨拶してきた。

翔「こんばんは。」

智「こんばんは〜。」

なんとなく合わせて挨拶してみる。

これもだんだん恒例行事になってきた。

智「痩せたなぁ…翔くん。」

真面目な顔で今日のテーマを話す翔くんは

どことなくやつれて見えた。

智「頑張りすぎだよ…。」

そんなことを今言っても

聞こえるはずがないのに

口から出てくるそんな言葉。

無責任なことに、

翔くんを前にすると

どうしてか言えないのは

翔くんに遠慮してる部分が

あるからだと思う。

収録が終わったら風のように

楽屋を後にしてしまう翔くんに

『頑張りすぎてる』だなんて言ったら

翔くんのやる気をダメにしてしまいそうで

邪魔をしたくないって思ってしまう。

そんなこと思ってるうちに

どんどん翔くんを壊していってるだなんて

微塵も考えていなかった。

翔くんなら大丈夫…

何とかするだろう…って

心のどこかでずっと思っていたから。

ごめんね…翔くん。

俺たちは翔くんのこと、

ちゃんと見てあげられていなかったね…。