秘密 2 《O.S》 (ページ9)

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智「は、半分は分かるべ。真緒、A、にの…」

私は聞き逃さなかった。

どさくさに紛れて私のことを呼び捨てにしたことを。

私は「うわーー！！！！」って叫びたいのを抑えて平然を装って目を泳がせた。

凛子「全然ダメじゃん。私は覚えたよ？相葉雅紀くんと河原紗那ちゃん」

智「さすが姉ちゃん…」

ちょっと申し訳なさそうにしゅんとして話す大野先輩はあの時見た大野先輩で、少し心を撫で下ろす自分がいた。

そして、改めて気づいた。

私は大野先輩が好きなんだって。

翔「じゃあ、とりあえず海でもいかない？」

真緒「私も行きたい！…んだけど、Aと紗那が水着を持ってなくて…(笑)」

凛子「それなら貸してあげるよ？3枚くらいなら持ってるから！」

A「え、いや、別に…」

真緒「ほんとですか！！ありがとうございます！ほら、Aも紗那も借りてきな！」

A・紗那「は、はあ、」

そして、私と紗那は凛子さんに連れられて砂浜を出てすぐの家に来た。

凛子「ここがおじいちゃんち、どうぞ」

恐らく誰も居ないのだろうけど「お邪魔します」と小さく挨拶をして家に足を踏み入れた。

凛子「私の部屋は二階なの」

そう言いながら階段を上がる。

少し狭くて一段ごとの段差が大きくて古い家特有の急斜面な感じ。

ゆっくり登りながら足元を見ていた目をふっとあげると壁に写真がかかっているのが見えた。

三世帯の家族写真。

この小さい麦わら帽子被ってTシャツに半パンといういかにもわんぱくそうな男の子は大野先輩？

お母さん、お父さん、お姉さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そして幼い大野先輩。

ぼーっと見とれていると前を歩いていた凛子さんと紗那が見えなくなっているのに気がついて小走りで残りの階段をかけ登る。