堕天使の少女と赤い悪魔【宗教松】 (ページ44)

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━━━最高のEND ページ44

『ねぇおそ松』
「ん？」
『私ね、おそ松にお願いがあるんだ…』
「なに？」
『私の魂を……おそ松のものにして欲しいの』
「……」
『だめかな…？』
「…いいよ」

彼と私は
彼女と俺は

絶対に私の死に対して何も言わなかった
絶対に彼女の死に対して何も言わなかった

言ってしまったら

全てが一瞬で崩れる気がして

『…明日はどんな天気かな』
「今日と同じで快晴だといいな」
『いつかおそ松にご飯作ってあげたいな』
「クッキーは食ったことあるけどな」
『クッキー美味しかった？』
「さすが俺の彼女って感じの味」
『ふふ、何それ』
「正直に感想言っただけだよ」
『…あっ、あと人間達がよくやる"けっこんしき"っいうのやりたいな』
「あぁ……あのウエディングドレスってやつを着たりとかするやつ」
『それそれ…みんな着ていた人、キラキラしていて……何千年も前からずっと羨ましいなぁって……』
「……」

普通に来るいつかの未来の話

すぐに来る何百年もかからない未来の話

とても楽しみで

とても残酷な話

絶対に来ない

未来の話

『……そろそろ…かな』
「A……」
『もう…今更泣かないで』

彼は自分で気付いていなかったのかそっと涙が零れていた
俺は自分で気付いていなかったのか涙が頬を濡らしていた

「Aｯ…ほんとに……俺のせいで…ｯ…」
『おそ松のせいじゃないよ。私が全ての運命を導き出しているんだから』
「A…A…A…ｯ…」

何度も何度も彼は私の名前を呼んだ
何度も何度も俺は彼女の名前を呼んだ

私は彼をほんの一瞬でも幸せにできたかな
俺は彼女をほんの一瞬でも幸せにできただろうか

『おそ松…』
「なに……？」
『おそ松と会えて…ほんとに……よかった』
「…A……俺…」
『心配しなくていいよ』
「え？」
『だって…▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒でしょ？』
「ｯ！……あぁ…！そう……俺はAのことを……！」

『……おそ松…ありがとう…！』

彼女は消えていった

灰になって

ただ消えていく彼女はとても儚く

そしてこの世の何よりも美しく笑っていた

どんなこと

どんなものよりも

美しく消えていった

「いつかまた…会えるまで……」

太陽は眩しくて

葉の香りはよくて

脳裏には彼女の笑顔が鮮明に残ってた