堕天使の少女と赤い悪魔【宗教松】 (ページ43)

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━━━42話ページ43

『ｯ…うｯ…ァｱﾞ…』

苦しい

呼吸が上手くできない

涙が止まらないよ

汚く泣く私

必死に泣かないように堪える私

『ｸﾞｧ…ｯ…ｯァ！！！』

私は侵食が進み翼の付け根が硬直してしまい飛ぶ途中で地面に落下してしまった

『ｯ…いっ……』

足が……

動かない

落下した時にやってしまったようだ

『……あー…痛いなぁ……』

苦しい

痛い

私の黒い翼がもっと黒くもっと暗くなってる

あぁ私はこういうふうに死ぬのか

『嫌だなぁ…あっ…だけど……』

いいじゃん

好きな人を最後に救えたんだから

いいじゃん

おそ松が好きなことに気付いたんだから

いいじゃん

今度は誰にも見られず死んでいけるのだから

最後……

『…なんて……思いたくｯないよ…ｯ…！』

「Aっ！！」

あれ？

とうとう耳までおかしくなっちゃったかな？

「A！大丈夫か！？」

あなたは私に駆け寄った

『なんでぇ…ｯ…いるの……ｯ…？』

「俺が……

Aのことが好きだから！」
『ｯ…ぅあ……ｯ…』

本当は目の前にいるはずがなかった

だけどこれは事実

大好きな

おそ松が目の前にいる

ほんとに…

なんで

もうすぐ私死んじゃうのに

そんな

嬉しいことを言ってくれるの……？

おそ「俺が…悪魔だからAを不幸にした。俺が自分の事しか考えられないクズだからAを不幸にした。けど…1回でいい！俺にAを幸せにする権利をくれっ！」
『…ｯ……』

涙がどんどん溢れ出てくる

今日1日…泣いてばっかだなぁ……

おそ「A……」
『もう…おそ松はぁ……』

私はあなたの頬に手を当てた

『あなたの魂が存在する限り私の魂が存在する限り、私は何度だってあなたに会ってみせる…愛してみせる……あなたに私を幸せにする権利を…あげます……だから…

何度も何度も私を幸せにしてくださいっ…！』

何度もこの辛い世界から

私を助け出して

おそ「…！…ありがとう……ありがとう……」

彼は強く強く痛くなるほど強く私を抱きしめた

『痛いよおそ松』
おそ「じゃあもっと優しく抱きしめる」

あぁ彼は

こんなにも醜くなった私を愛してくれるのか

私はなんて幸せなんだろう

今まで生きた中で私の心は今1番温かい