堕天使の少女と赤い悪魔【宗教松】 (ページ22)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:10,083 hit

━━━21話ページ22

〜？？？〜

久しぶりに夢を見た

そこはとても美しい楽園のような場所だった

何もかもが興味のひけるものだった

ただそこはとても悲しかった

天国のような世界

だけどその世界には"死"があった

大切な誰かを失う

そんな悲しみが心を覆った

だけどそれよりも恐ろしく悲しかったのは

自分が━━━━

〜透明の小屋〜

『…はっ！！……夢…か』

透明の小屋に住む少女は呟いた

右目は眼帯で隠れている

『……あれから丁度6年…過ぎるのはあっという間だな…』

《みんな元気かな》

不意に少女は6年前を思い出した

『…だめだめ！…さてと、ルミエイルのところにでも今日は行こうかな……』

少女は小屋を出た

━━━━

『はぁ……』

少女はは飛びながら溜め息をついた

『ちょっと落ちつこうかな』

少女は森に降りた

『ここなら……』
「其方は誰だ」
『……！？』
「驚かせたようだな」
『……魔王……？なぜこんなところに……』
魔王「堕天使よ。まずは我の質問に答えよ」
『…魔王なら知らないわけない』
魔王「そうだな。我は其方を知っている。だがそれは我から見た其方のことだ。其方の心情や素などは我にはわからないぞ」
『…私はこの森に住む堕天使。天界を永久追放された……堕ちた者だ』
魔王「……其方は自分が堕天したことをどう思っておる」
『運命だったとおもってる』
魔王「運命か……ふっ気に入った。我と一緒に魔界に来るがいい」
『！？魔界に！？魔界には……！』
魔王「安心しろ。魔界は魔界でも魔界にある花畑の方に行くのだ。そう悪いことではない」
『……分かった』

魔王と堕天使は魔界へ向かった

〜魔界花畑〜

『わぁ……』

目の前に広がるものは花という花だった

それもとても美しい花だった

魔王「魔界といっても美しいものもある。ここは我が魔界で作り上げ、我しか知らなかった場所だ」
『そんな所に、私が来ても……』
魔王「良いから連れてきたのだ」
『……魔王様は案外いい方なのですね』
魔王「先代の魔王…我の父や祖父などと同じにするな。我は美しいものを好む。それは色々な形の美しさをだ。其方の場合、元天界の者であったため他の堕ちた天使共と同じ最初は思っておった。だが違った。其方は自分が堕天したことを運命と言った。では其方と我が出会ったのはなんだ。運命だ。そのような美しい考え方は……我は良いと思う」
『……魔王様、これからも魔王様に会いに来ても良いですか？』
魔王「……あぁ。良いぞ」