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「…は?」
「あ…えっと…オークションって…どんなものか見てみたくて」
「でもこれ、普通のオークションじゃないから…」
「だけど…おそ松さんが、裏切らない限り一緒に居てくれるって言ってくれたから、この世界のことわかっときたい」
わがままだろうか。
一松さんは少し悩むと
「まぁ…できる限りチョロ松兄さんに頼むよ」
「おそ松さんじゃないの?」
「おそ松兄さんはこういうの面倒くさがってやらないから…チョロ松兄さんが…あ、チョロ松兄さん寝てるから、明日でもいい?」
「うん。ありがとう」
もっと知っときたい。
その衝動から言ったことだが、一松さんからだけでも言って貰えると言われて良かった。
ほっとしてると、トントンと扉をノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
「一松、今度のあ」
一松さんのどうぞという声と同時に入ってきたのは、書類を持ったカラ松さんだった。
「な…一松!なんでれいと一緒にいるんだ!しかも膝の上にのせて!」
「うるせぇな…れいは寝起きなんじゃでかい声出してんじゃねぇよぼけぇ!」
「一松の方がうるさいぞ!」
「てかさっさと要件済ませろクソ松」
「あ、あぁそうだった」
カラ松さんは書類の方に目をやる。
「今度の依頼なんだが…イタリアのフィレンツェに本社がある大手会社の秘書の暗殺だそうだ」
「理由は?」
「社長からイタリアのマフィアだとこういうのは引き受けてくれないからだそうだ」
「大抵が麻薬だからだろうね。警察に捕まんないように精一杯だし、今の時代そっちの方が効率いいし」
「そうなの?」
あまりに気になってしまって、話に割り込んでしまった。
「うん。わざわざ危ないことするよりも、安定して高額の金が手に入るからね。偉いのが自ら赴かなくていいし」
そう言いながら一松さんは私の頭を撫でる。
「じゃあ、どうして一松さん達は殺しをやるの?」
「それは俺が答えよう。プリンセス」
いつの間にか私達の真横にカラ松さんは立っていて、ひょいっと私を持ち上げて一松さんの上から降ろした。
それと同時に一松さんが舌打ちをするが、カラ松さんは気にせず話し始める。
「俺達は麻薬取引の禁止、恐喝及び強要などを善良な日本国民に直接的影響を与えることをしないというのを条件に国からバックアップを受けている。そのため、表向きは護衛を主としたボディーガードを派遣する会社にしているから、利益にも困らないんだ」
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作者名:翡翠葛@優杏 | 作成日時:2020年4月27日 9時