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「私銃なら使えます。正確に撃てます。」
「会場は凶器の持ち込み一切禁止。何かあったら、銃とかじゃなくて肉体戦だよ?そんな華奢なれいちゃんが男何人とかで迫られた時にぶっ飛ばせるとは到底思えないんだけど?」
確かにそうだ。
今まで、体を鍛えるようなことはしたことがなかった。
だからこそ、銃やナイフがなければ戦えない。
「てかさ、俺いいこと思いついちゃった!」
おそ松さんはニコニコしながら、誰かに電話をかけた。
「あ、俺俺ー…詐欺じゃないし!俺!おそ松だよ。ちょっとお願いしたいことあってさ、今暇?ちょっと来て欲しいんだ〜。いやいや、れい関係だから。うん。よろしくなー」
話が終わったようで、携帯閉じてを机に置いた。
「んで、誰と話してたわけ?」
「あと5分でわかるよ」
そう言われて5分。特に何も無いまま待ち続ける。
─────
ばんっという音と同時に、戸を開ける方を向く。
「おそ松くんが来いって言うから来たんだけど、れいちゃん関係ってどんなのなわけ?」
「トト子ちゃん!」
おそ松さんが呼んだのはトト子さんだった。
「れいちゃんのドレス?毎回毎回トト子に任せる気なわけ?ほんと人使い荒いんだから」
「それもあるけど、今度れいとオークション会場に行くんだけど、人数が足りなくてさぁ。トト子ちゃんがれいの横に居てくれたら安心だなって」
「トト子をなんだと思ってる訳?はぁ…とりあえず内容を聞かせてちょうだい。それから考える」
「さっすがトト子ちゃん心が広い!そんで本題なんだけど…今度の仕事、れいちゃんの見守り係として同行してくんね?」
その発言と共に、数秒無音の時間ができた。
最初に声を上げたのは
「ちょ、おそ松兄さん!」
チョロ松さんだった。
「確かにトト子ちゃんは強いけど、いくらなんでも女の子2人であの場に置いてくなんて…」
「トト子はいいよ」
思わぬ本人の承諾に、チョロ松さんは驚きを隠せない様子だ。
そんなのは目もくれず、トト子さんは真顔で私を見る。
「それに、女の子2人って言ってもれいちゃんが男装すれば女2人感は消えるでしょ」
「いや、でもれいちゃんは…」
「トト子は可愛いし、れいちゃんが男役やった方が襲われにくいんじゃない?女よりも危険度は下がると思う」
淡々とトト子さんは喋り続ける。
「私は、れいちゃんがなにをしたいか知らないけど、危ないからダメじゃこの子すぐ死ぬわよ」
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作者名:翡翠葛@優杏 | 作成日時:2020年4月27日 9時