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｢変わってない、できない自分に必要性を感じない」
マグカップに入ったコーヒーの水面に写る自分は、なんとも醜く感じた。
｢何しても、完璧にこなせない。完璧どころか、お兄さん達にまで迷惑かけて。ちらっと十四松さんが報告の電話している時に聞いたけど、あれで報酬まで下げられて…私のせいだ」
｢それは違うぞ」
カラ松さんは真剣な表情で、私を見た。
その表情は、少し悲しそうでもあった。
｢れいの話をざっくりとだが聞いた上で、否定させてもらうが…まずれいは出来損ないじゃあない。完璧を求めすぎなんだ。俺達だって失敗する。仕留め損ねを重ねて、最善の殺し方をするようになったんだ。俺だって最初は拳だけじゃあ確実に殺せなかったが、今はほんと少し角度を捉えるだけで殺せるようになった」
ぎゅっと私の手を握ってくれた。
カラ松さんの手は、とても暖かい。
｢それに、1000万から800万になったのはおそ松の命令だ。十四松が仕事を放棄してトド松に任せて、依頼主の信頼を失いかけないことをしたからだ。れいは全く関係ない」
彼の瞳からは、ほんとに私を心配してくれるんだということが伝わる。
｢うん…」
けれど、たとえ何を言われようが心に響かないのは
私が、不良品だからなのだろうか。
━━━━
ーおそ松の部屋ー
｢あーだりぃ…ねぇーれいが膝枕してよーお兄ちゃんしんどすぎて死んじゃいそー」
今はおそ松さんの監視をしている。
先程10:00ぐらいに起きてきたチョロ松さんに頼まれた。
話によると、昼まで寝て更には仕事を放棄していると言っていた。
その為、起こすついでに仕事をやらせて欲しいとの事だった。
｢チョロ松さんから、なにかお願いされたら仕事後のご褒美にして、言われるがままにしないようにと言われました」
｢だぁー！無理！もっとご褒美ないと無理！」
机をばんっと叩くおそ松さん。
その時、1枚の紙がはらりと落ちた。
その紙をひろおうとした時
｢あ、おそ松さん。こういうのはどうでしょう」
ふと思いついた。
｢なにぃ」
｢私が枕になりながら基本的な作業をするので、おそ松さんは書類に関する質問に答えてください。場合によってはおそ松さんに書類に目を通して貰います」
｢うーん…あともう一押し！」
｢じゃあ…作業が終わったら、ご褒美にすぐにできるスイーツを作ってきます」
｢食べさせてくれる？」
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作者名：翡翠葛@優杏 | 作成日時：2020年4月27日 9時
