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｢なんで？｣
｢いつバレるかわかんないんだぜ？危険過ぎるだろ。ていうか、バレた瞬間何しでかすか…トド松自身が傷つくだけだろ｣
バレるとはなんのことだろうか。
私は服の裾をぎゅっと掴む。
｢僕は大丈夫だよ｣
｢お前が大丈夫でも、れいが大丈夫じゃねぇーだろ。ホントのあいつの家族殺した奴と、一緒に居たいって思うって本気で考えてるわけ？｣
ドクンと
心臓が動く音がした。
お兄さんは、本物の家族を殺したのだろうか。
でもそれはきっと…
｢それは本当のことですか？｣
勢いで、私は部屋に入った。
｢あ…れい…ちゃん…｣
｢あちゃー聞かれちった？まぁいいんじゃねーの？この際だし｣
おそ松さんは椅子から立ち上がり、私の方へと来た。
｢実はさ、トド松の初めて受けた依頼がれいの両親殺る仕事だったわけ。一応交通事故ってなってるけど、本当は息あってさ。すぐに病院に運ばれていれば生きてたけど、そこをとどめに殺したわけ。あ、トド松が殺さなくても兄貴は死んでたっぽいよ。重症だったし｣
言葉が、出なかった。
｢れいちゃん…｣
でも
｢よかったです。お兄さんが故意に殺したんじゃないんですね｣
安心した。
お兄さんはやはり任務でやったことだったんだ。
それならなんの問題もない。
｢れ、れいちゃんはさ！｣
お兄さんはガタッと音を立てながら勢いよく立ち上がった。
｢れいちゃんはいいわけ？僕はれいちゃんの家族を…｣
｢だって、任務でしょ？｣
｢任務だけど！僕のせいで、れいちゃんは酷いことをされて…｣
｢お兄さんが、助けてくれたよ？｣
お兄さんは何かをぐっとこらえる仕草をした。
おそ松さんはいつもニコニコしているのに、今はとても真剣な顔をしている。
｢…いやぁーれいは優しいねぇー。まぁ、これで心残りも消えたし、トド松もこれかられいと好きなだけ居ればいいよ｣
そう言っておそ松さんは私に近づく。
｢まぁ、今日のところは俺のだけどさ｣
おそ松さんと顔が近くなって
私の額に口付けた。
｢…おそ松さんは触れるのが好きですね｣
｢もっと触ろうか？｣
おそ松さんはにやりと笑う。
｢はぁぁぁぁ！？何してるのおそ松兄さん！れいちゃんお風呂に入って綺麗になったのに！口臭タバコ臭いおそ松兄さんのキッスなんてキモイだけだよ！｣
｢んな臭くねぇーし！大体れいの部屋来る前に綺麗にしたわボケ！｣
｢最初からキッスする気だったわけ！？意味わかんない！れいちゃんに許可もらってからしろよあほ！｣
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作者名：翡翠葛@優杏 | 作成日時：2020年4月27日 9時
