盲愛【ab】 (ページ10)

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@…8 ページ10

．阿部side

話があってから数日、俺の車でAの家まで送ったり、
一緒に電車で帰ったりした。
その都度Aは「またいる…」と震えていた。

これは本格的に精神的にキテる気がする。

昔からAは強い女の子だった。
嫌がらせは絶対許さない強い女の子。
男である俺よりも強くて何度も助けられた。

中学生のある日、Aがクラスの子から嫌がらせを受けた。

＿＿＿＿数年前

『…教科書がない……』

亮平「A？どうしたの？」

『……ううん！なんでもない！』

当時の俺は"Aが大丈夫と言っているなら大丈夫だ"と
軽い気持ちでいた。

中学も3年生になり、
クラス替えがない学校だった故当然いじめっ子たちもエスカレーター式で同じクラスになる。
どんどんどんどんエスカレートして行った。

今思えばAが当時付き合っていた男はいじめっ子たちの下っ端にいた人たちだったような気がする。

どんどん壊れかけてくAをみて、
"僕がなんとしてでも助けなくちゃ"と幼いながらに誓った。

それからだろうか。
Aに対して歪んだ…否とても大きな愛を持つようになった。
自分の行動は異常だと思ってる。
が、しかし、
恋は盲目という言葉があるように

Aに対してはIQが下がってしまうのだろう。

Aに帰れない旨を伝え、静かに後を追う。
Aを守ると決めた以上守り通さなくてはならない。
俺以外の男からの好意も、愛情からも。

数分追うと、コソコソと電柱の裏に隠れている小太りな男がAを見ていた。
これが例のストーカーだろうか。
にしても、どこで愛想を振りまいてきたのだろうか。

亮平「…はじめまして。こんばんわ。」

男「…!?こ、こ、こんばん、わ…」

こんな物陰から、しかも夜
はじめましてなんて声をかけられたら誰だってびっくりするだろう。
ここは物腰柔らかく、愛想良く……

亮平「おひとりで何をなさっているのですか？？」

男「うちに帰る最中ですが……」

亮平「そうなんですね。……じゃあ違ったのかもしれませんね」

男「？？」

亮平「電柱に隠れてコソコソしてるのなんて傍から見たら"ストーカー"ですもんね笑
お兄さんがそんなことするわけないですよね笑
すみません笑笑笑」

男「…はぁ、」

ストーカーと言う名前を出した途端ちょっと体が硬直していた。もう一押し…

亮平「それと、、彼女は僕のなんで。」

そう言うと男は暗闇に逃げていった。