盲愛【ab】 (ページ4)

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@…3 ページ4

.Aside

取引先に向かう途中、佐久間さんが話しかけてきた。

大介「楠木さんって、なんでこの仕事に入ったの？？」

うちはよくある文房具メーカーの会社。
元々文房具が好きだったけど、それだけでは無い。

『親友が勉強大好きで、少しでもそのアシストが出来ればなと思って入りました』

大介「へぇ〜頭のいい親友さんがいるんだねぇ」

『幼稚園から大学まで一緒なんですけど、大学を主席で卒業してて、到底私なんかに適う人じゃないですよ笑』

大介「え！すごい頭いいじゃんその人！！」

私の話にもちゃんと応答してくれる。
ほんとにこの人は優しい人なのかもしれない。

(でも、、頭のいいなんて言ってないんだけどな…)

なんて思いながら歩を進める。

十数分歩くとだんだん見えてくる大きいビル
CMや宣伝系、IT系強いA社。
亮平が働いてるのもこの会社だったはず。

ウィーンと扉が空くと涼しい風が頬をかすめる。
少し暑くなった外にピッタリの場所だった。

『ワタセ文具から参りました。楠木Aと申します。
お取引の件で参りました。』

新人の頃、頭に叩き込まれた定型文。
2年もすればすっかり板について、
スラスラ言えるようになっていた。

少々お待ちください。と受付の人がどこかに電話をかける。
とても綺麗な受付嬢だった。

暫くしてこちらへどうぞと会議室に通された。
ここもまた涼しい冷房が効いていて落ち着く。

ｶﾞﾁｬ

？？「……すみません。前の会議が長引いてしまって、遅くなってしまいました…！」

勢いよく扉を開けて入ってきた声の主は
私がとてもよく知っている人だった。

『……亮平！？』

亮平「あれ？この企画Aの企画なの？？
じゃあ心強いねっ！
あ！A社の営業部の阿部亮平と申します。
この度はよろしくお願いいたします！」

相変わらず低姿勢なのは変わらない。
礼儀がしっかりしてて、言葉使いも丁寧。
しっかりした態度で佐久間さんに名刺を渡している。

亮平「はい。どーぞ」

『あ、ありがとう。』

亮平「では、始めましょうか！」

ちゃっかり私にも名刺を渡す亮平。
ほんとにしっかりしてる。
その後も着実と会議は進んでいって、
また後日会議をすることになった。