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小さい頃からある女の子のことが大好きだった。
僕より背が小さくて、華奢で、可愛らしい…
理想の女の子って感じの女の子。
物心ついた頃から彼女のことが好きで、
ずっと隣にいたいと思うようになった。
中高大と彼女の周りをうろつく男は年々増えて行った。
彼女が好きになった男からも告白されて、
彼女とその男が付き合う羽目になったこともあった。
それが酷く気に入らなかったのだ。
けど僕は祝福した。
大好きな彼女の恋が報われたのだから。
だけどそんな簡単に彼女の恋が毎回報われることがなかった。
1人目は浮気され捨てられて、
2人目は遠くに引越し自然消滅。
3人目は宗教チックに騙されAの金を使う……
散々な輩ばかりだった。
でも、その度に彼女が僕の所に泣きつくから
それはそれで好都合だったのだけれど…
就職先、僕は彼女と同じ会社には勤めようとしなかった。
理由としては彼女がいるとどうも集中できないと思ったからだ。
どんどんどんどん大きくなっている彼女への気持ちが抑えられなくなる気がしたから。
〜♪〜♪
？？「あ、もしもし佐久間？」
《「あ、出た。あのさ、今度そっちに取引先として行くことになったよん」》
？？「あ、ほんとに？良かったぁ〜
さすが佐久間だね」
《「にゃは笑俺のおかげじゃないよ〜ん
あ、あとこれは部長から聞いた話なんだけど、
楠木さんが正式にA社との取引を一任させたいって〜」》
？？「嬉しい…ようやく仕事が一緒に出来る。
ここまでありがとうね佐久間」
《「別に大したことしてないよ笑
阿部ちゃんの恋が実ればいいなって思っただけ〜」》
亮平「ふふっありがとう。
じゃあまた今度ね」
《はいはーいっ》
何年待っただろう。
佐久間に土下座決め込んでAの行動を
バレないように逐一報告してもらって、
仕事を一緒にする大型プロジェクトの企画を
Aと出来ればあとは俺が監視するだけ。
どんどん俺に漬け込んで惚れてしまえばいい。
こんな男、Aは嫌だろうか。
まぁ、何はともあれようやく仕事が出来る。
ようやく一緒にいることが出来る。
嗚呼ほんと…
亮平「早く会いたい…」
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作者名：蒼空 | 作成日時：2024年3月10日 17時
