【njsj】ビターチョコレート。

葛葉邸 ページ7

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葛葉「…どぞ。汚ぇっすけど。」

『ううん。全然大丈夫。ごめんね？』

葛葉「いや…」


1日の間だけ葛葉くんの家に
お邪魔する事になった。
床に散らかっている服を避け、
「え、これいつのだ……？」
と言う葛葉くんを見ていると、少し
笑ってしまった。


葛葉「あー…俺この後配信あって、」

『ごめんね、静かにしてる。』

葛葉「すんません、」

『もし音入っちゃったら
妹とか言っていいから……』


なるべく静かにしてるけど。
と付け足すと、返事の代わりに
懐っこい笑顔を浮かべて
部屋に戻って行く。

懐かしいな、なんて。









葛葉《こん〜》

葛葉くんが部屋に行ってから数分後、
配信が始まった。
特にすることもないので、
そのまま配信を見る。

葛葉《そういや聞きてぇ事あんだけど》
《カップルとかってすぐ別れんの？》


ドキリ
胸が大きく音を鳴らした。
恐らく彼が言っている事は私達の事。
私は話される事に関して何も不満は
無いが、叶くんはどうだろう。

背中に嫌な汗が流れる。
どうしよう、止めに行きたい。
この後葛葉くんは叶くんとコラボらしい。
ならば何としてでも話を変えるか
止めなければならない。

ゆっくり入れば大丈夫だろう、
そう思いソファから立ち上がった。
その時だった。


叶《葛葉早くない？》


あぁ、最悪だ。
葛葉くんの事だから当事者が叶くん
だとは言わないだろうけど、
叶くんは絶対不機嫌になる。
怒る。

葛葉くん、お願いだから……。
叶くんの前でその話だけはしないで。





葛葉《ま、大事な人来てるんで。》






『《は？》』


葛葉くんの問題発言。
これは確実に燃えてしまうだろう。
叶くんも何が起こってるのか
理解出来ていない様子。
叶くんにはバレたくない、けど、









『兄さん？入るよ？』

叶《……は、》









『ｯ!?!?ご、ごめ配信ちゅ……』

葛葉「んぁ？別に良いだろ。」

叶《ねぇ葛葉、その子……》


あたかも気付かなかった
天然な妹ちゃんを演じる。葛葉くんは
"助かった"と口パクで言っている。
どうやらこの判断は正解だったらしい。




葛葉「ん、自己紹介しろ。」

『え、っと。葛葉の妹です。』



コメント欄を見ると、
［可愛い］［いい子じゃね］など
照れるような内容ばかりだけども
炎上に繋がるようなコメントは
見当たらなかった。


葛葉「お茶さんきゅ」

『んーん。頑張って』

終始1度も話さない叶くんに怯えつつ、
なんとかやり過ごした。

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