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。
??「相変わらず仲がよろしい事で。」
2人で雑談をしていると、
ふと頭上から低めの声が降ってきた。
甲斐田「社先輩、お疲れ様です!」
社「おー、声でけぇなお前。」
『ド直球過ぎません??』
声の主は、上司の社先輩だったようで
その手にはスマホがあった。
『奥さんですか?』
社「そうなんだよ、帰りに洗剤
買って来いって言われてさ〜」
『でも好きなんですよね?』
社「……まぁな」
甲斐田「リア充爆ぜろ。」
『拗らせてるね〜。』
社先輩の夫婦は、まさに
理想の夫婦像で。
互いに冗談を言い合いながらでも、
愛し合っている。
……凄くいい家庭だと思う。
社「……ま、何かあったら
いつでも相談乗るからな。」
『…!』
気難しい顔をしていた私に
気付いたのか、社先輩が私の頭を
ポンと撫でてくれた。
甲斐田「あ"!アウトですよ!」
社「ちげぇわ馬鹿。」
その優しさが、
おかしいくらい染みてきて。
2人の騒ぎ声は、
私には聞こえなかった。
。
??「深澤先輩……たしゅけて……。」
昼休み後、また仕事作業に戻ると
今度は後ろから弱々しい声が聞こえた。
振り向くとそこには
目にいっぱいの涙を貯めた後輩の姿。
『え!?!?どうした花那!!』
健屋「間違えてこの書類を
50部刷っちゃったんです……」
『わー、思いっきりやったね……w』
健屋「ごめんなさいぃ〜……」
私も過去に同じようなミスをしたな、
何て思いながら、
花那にやさしく声をかける。
『大丈夫、何とかするよ。』
健屋「ホントにすいません……」
『平気平気!じゃあこの書類
社先輩の所に持って行ってくれる?』
健屋「はいッ!!!!」
元気よく書類を持っていった花那を
見届けて、印刷ミスした書類の
訂正を始める。
。
『……ふぅ。』
ようやく終わり、時計を見ると
針は10:00を示していた。
既に周りには人は居なく、
何故か隣の甲斐田は寝ていた。
……何で残ってたんだろう。
起こすのは可哀想と思いつつも、
電車が無くなってしまうので
肩を揺すって起こす。
『甲斐田〜、起きて〜。』
甲斐田「んん……あ、終わった?」
『え、もしかして待っててくれた?』
甲斐田「そう。早く帰ろ〜。」
帰り道、甲斐田の背中を見ながら思う。
世の中にはこんなに優しい会社は
数個しかないんじゃないかと。
…そう考えると、
愛されたいとか言えないなって。
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陰玖(プロフ) - 良すぎる…応援してます! (2022年8月16日 7時) (レス) @page15 id: 2a080b2c68 (このIDを非表示/違反報告)
蘭羅 - 最高です!続き楽しみにしていますね😍💕 (2022年7月24日 23時) (レス) @page15 id: c1e168e932 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - るるいんさん» オチに関しては全く考えていませんでした…💦シリアス展開良いですね……! (2022年2月27日 22時) (レス) id: abf964f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - azureさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません!ありがとうございます! (2022年2月27日 22時) (レス) id: abf964f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
るるいん - これ、最終的にkz落ちだったら最高。knが監禁とかしてkzが助けるみたいな (2022年2月24日 15時) (レス) @page13 id: ed0fa03c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀 | 作成日時:2021年8月18日 14時