検索窓
今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:80,693 hit

ページ3





??「相変わらず仲がよろしい事で。」

2人で雑談をしていると、
ふと頭上から低めの声が降ってきた。


甲斐田「社先輩、お疲れ様です!」

社「おー、声でけぇなお前。」

『ド直球過ぎません??』


声の主は、上司の社先輩だったようで
その手にはスマホがあった。


『奥さんですか?』

社「そうなんだよ、帰りに洗剤
買って来いって言われてさ〜」

『でも好きなんですよね?』

社「……まぁな」

甲斐田「リア充爆ぜろ。」

『拗らせてるね〜。』


社先輩の夫婦は、まさに
理想の夫婦像で。

互いに冗談を言い合いながらでも、
愛し合っている。
……凄くいい家庭だと思う。


社「……ま、何かあったら
いつでも相談乗るからな。」

『…!』


気難しい顔をしていた私に
気付いたのか、社先輩が私の頭を
ポンと撫でてくれた。


甲斐田「あ"!アウトですよ!」

社「ちげぇわ馬鹿。」


その優しさが、
おかしいくらい染みてきて。
2人の騒ぎ声は、
私には聞こえなかった。










??「深澤先輩……たしゅけて……。」


昼休み後、また仕事作業に戻ると
今度は後ろから弱々しい声が聞こえた。

振り向くとそこには
目にいっぱいの涙を貯めた後輩の姿。


『え!?!?どうした花那!!』

健屋「間違えてこの書類を
50部刷っちゃったんです……」

『わー、思いっきりやったね……w』

健屋「ごめんなさいぃ〜……」


私も過去に同じようなミスをしたな、
何て思いながら、
花那にやさしく声をかける。


『大丈夫、何とかするよ。』

健屋「ホントにすいません……」

『平気平気!じゃあこの書類
社先輩の所に持って行ってくれる?』

健屋「はいッ!!!!」


元気よく書類を持っていった花那を
見届けて、印刷ミスした書類の
訂正を始める。

















『……ふぅ。』

ようやく終わり、時計を見ると
針は10:00を示していた。

既に周りには人は居なく、
何故か隣の甲斐田は寝ていた。
……何で残ってたんだろう。

起こすのは可哀想と思いつつも、
電車が無くなってしまうので
肩を揺すって起こす。


『甲斐田〜、起きて〜。』

甲斐田「んん……あ、終わった?」

『え、もしかして待っててくれた?』

甲斐田「そう。早く帰ろ〜。」






帰り道、甲斐田の背中を見ながら思う。
世の中にはこんなに優しい会社は
数個しかないんじゃないかと。

…そう考えると、
愛されたいとか言えないなって。

家→←家▽職場



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (231 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
773人がお気に入り
設定タグ:2j3j , Njsj , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

陰玖(プロフ) - 良すぎる…応援してます! (2022年8月16日 7時) (レス) @page15 id: 2a080b2c68 (このIDを非表示/違反報告)
蘭羅 - 最高です!続き楽しみにしていますね😍💕 (2022年7月24日 23時) (レス) @page15 id: c1e168e932 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - るるいんさん» オチに関しては全く考えていませんでした…💦シリアス展開良いですね……! (2022年2月27日 22時) (レス) id: abf964f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - azureさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません!ありがとうございます! (2022年2月27日 22時) (レス) id: abf964f5d4 (このIDを非表示/違反報告)
るるいん - これ、最終的にkz落ちだったら最高。knが監禁とかしてkzが助けるみたいな (2022年2月24日 15時) (レス) @page13 id: ed0fa03c7f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琥珀 | 作成日時:2021年8月18日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。