036 ページ38
.
三井先生からの助言を頂き
小児科を出ようとした時
心地よい旋律が、耳を掠めた
音の鳴る方へ進んでいくと
とある部屋の前に着き、私は目を疑った
「天野奏.....？！」
あぁ、私の目が正しければ
今部屋の中でピアノを弾いているのは、間違いない
あの天野奏だ。
学生の頃吹奏楽部に所属し、
音楽を今でも愛していたからこそ彼女を知っているわけで、
ピアノ一つでここまで上り詰めた彼女をリスペクトすらしていた。
気づいたら手がドアノブを回していて。
その音に気づいたのか、彼女の手が止まる
天野「えっと.....」
「あっ、あの。天野奏さん、だよね？」
天野「そうだけど....」
「実は私、あなたのファンなの。石川Aっていいます」
名乗ると、彼女は はっとしたような表情になった
...すごい、超有名人と話しちゃってる私。
天野「A先生、藍沢先生と仲いいでしょう？」
「え、藍沢先生？」
天野「そう。藍沢先生がよくA先生の話してるよ？」
藍沢先生は、一体この子になにを吹き込んだのだろう
優しいドクターがいる、と言ってくれてればいいのだけど。
どんな話をしたのか聞こうとした時
ドアの開く音がした
藍沢「...なぜAがここに居る」
天野「あ、藍沢先生！」
彼は私を見つけるや否や、
スクラブの首元を引っ張って 自分の方へ引き寄せた
痛っ...？！
天野「藍沢先生も案外肉食なのね」
藍沢「病人は大人しくしとけ。お前食欲無いとか言ってただろ」
「朝から何も食べてないんだったー...」
藍沢「じゃあ何処か連れてってやるから支度してこい。...天野さんも早く新海のところへ行け。」
天野「はぁーい。じゃあ、Aセンセ、またね」
そう言うと天野さんは手をひらひらさせて
部屋を出ていってしまった
*
医局へ戻る途中
沈黙を破ったのは、彼だった
藍沢「彼女と知り合いなのか」
「いや？私が一方的にファンなだけ。というかリスペクトしてるだけ。」
藍沢「...なあ、A」
“もし、貴方は医者で居れなくなる と言われたらどうする”
...と。
「そんなの...耐えられない」
藍沢「...脳腫瘍だ。かなり深い所に3.5cm。ピアノが、弾けなくなるかもしれない」
神様は、意地悪だ。
彼女が
取り上げようとするなんて。
もし自分に降りかかったら、私は＿＿
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マナ - おはようございます、、、 (2021年5月16日 6時) (
レス) id: a61249d36a (このIDを非表示/違反報告)
yukiusagi - あーやきもきしますー (2017年8月23日 17時) (レス) id: ffe17b2f3c (このIDを非表示/違反報告)
やーあい(プロフ) - はじめまして、やーあいと言います！めっちゃにやけながら読んでいます！これからも応援しています！頑張ってください！ああ、藍沢先生、かっこよすぎ… (2017年8月5日 3時) (レス) id: 03614df54e (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ヤバすぎます！やっと復縁して嬉しい限りです！これからも頑張ってください！ (2017年8月5日 3時) (レス) id: f778c3d18d (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 初めまして。更新楽しみにしてます。藍沢先生達と同期で男主で白石先生オチの小説を書いていただけませんか？出来たらseason1から書いていただけませんか？ (2017年8月3日 14時) (レス) id: 3f08d45607 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつ
| 作成日時：2017年7月21日 18時
