まいにち

半月　りゅう1 ページ15

今日は久しぶりにふたりでのんびりタイム。
ご飯も早めに済ませて
ソファでまったり亮ちゃんのドラマ見てる。

はぁ。亮ちゃん・・・っつーか真野さん？男前やわぁ。
夕陽のなかの真野さんが素敵すぎて

｢あんなこと言われたらオチるわぁ｣

思わず呟いたら、隣で見てたダンナさんが急に

｢りゅうは亮ちゃんのほうがええのっ！｣

って怒り出した。

｢もぉ、りゅうなんて知らんっ｣

意味がわからんで呆気にとられてる俺を置いて
さっさと家を飛び出して行ってしもた。

はぁ？なんなん？そこまで怒ることやった？
あれはあくまでも亮ちゃんやなく真野さんやん。
忠義より亮ちゃんの方がええなんて思ったことないわっ。
まったっく！心外やわ。俺の愛情疑うん？
怒りたいのはこっちのほうやん。

まぁ、ええ。こんなときは決まってる。
拗ねて飛び出したんはいいけど
ちょっと落ち着いたら愚痴りたくなって・・・

先に電話しときましょ。


・・・案の定、章ちゃんに事の顛末話して
愚痴ってたら、忠義も章ちゃんに架けてきた。
こーゆーときは章ちゃんに任せるのが一番。
俺には話してくれないようなことも
章ちゃんにはなんでも話すから。
ちょっと妬けるけど、ね。信じてるから。

こんなに好きなんになぁ。
忠義しか見とらんのに。
ヤキモチ妬かれるのは嬉しいけどさ。
出ていく事ないやん・・・。
そんなに信用ない？

あ。アカン。涙出てきた。
はよ帰ってきてよ。忠義・・・。
明日もお仕事あるし目ぇ腫らしたらいかん。
忠義のこと好きになってから弱くなったなぁ、俺。
ほんの小さなことが怖くてしかたない。

付けっぱなしのTV消してベランダに出た。
夜空に半分だけのお月様が浮かんでる。
ぼんやりしてたら古いラブソング口ずさんでた。
ふたりでひとつなんて・・・あ、これ失恋の歌やん。
はぁ、どうせなら満月が良かったわ。
まんまるのニコイチそれが俺らやないの？

バタバタと玄関先で音が聞こえる。
聞こえないフリ、しててもええよね。

肩にかけてたブランケット上げて
耳まで隠してしまおう。
ほんの少し意地悪させて。

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