電話 りゅう2 ページ12
液晶には『忠義』の表示。
出る気になれなくてそのまま放っておく。
長いことコールが続いて切れると
またコールが鳴る。
何回も、何回も繰り返す。
ひっきりなしに鳴り続けるスマホ。
今は話したくない・・・
そのうちに、プツンとコールが途絶えて
シンとした部屋に戻る。
結婚・・・したつもりやったんやけどな。
これから先ずっと添い遂げる覚悟でいた。
何度も話し合って、離れられないって
メンバーの前で誓ったんは嘘やったん？
明日も撮影あんのに、目ぇ腫れてまう。
泣かんでおらな。
しばらく無音の部屋のなかでボンヤリしてた。
30分・・・？もっと短かったかもしれん。
体が冷えて少し痛む。
主のいない部屋。
ふたりの暮らしがちりばめられた部屋。
急にまたスマホが鳴り出した。
今度は『ゆうちん』の名前。
｢はい・・・｣
出てみると
｢おぉ、良かった。出ないかと思ったわ｣
焦ったようなゆうちんの声。
｢どしたん？｣
｢マル、おーくらの電話出ぇへんから｣
｢あ。うん｣
｢おーくらに電話したら女出たんやろ？｣
｢なんでゆうちんが知ってるん？｣
｢やって、今俺おーくらと一緒やもん｣
｢今日はたつ一人じゃなかったん？｣
｢急遽手直しがあってきてるんよ｣
｢何で女の人・・・｣
｢あれな、俺もその場におったんよ｣
・・・？
ゆうちんが言うには
ふたりで後輩くんたちのプロデュースのお仕事の後
ゆうちんの知り合いと一緒に飲みに行くことになったと。
で、その知り合いがよく行くっていうお店に行った。
知り合いの人がアフターやって
お店の女の子たちを連れ出して飲んでたんやって。
そのなかのひとりが忠義をロックオンしてて
忠義がトイレに席立った時にかかってきた
俺からの着信に勝手に出てしまったらしい。
ほんのいたずらのつもりって笑う女の子を
忠義が怒鳴り付けたって。
時々おる。
ノリとか悪ふざけの境界線がつけられん子。
そういうんがいたってことか。
｢ホンマ腹立ったからぶちギレてそいつら帰したし
おーくらはオマエが電話に出んて横で半泣きになってんで｣
｢ホンマにぃ？｣
｢ホンマや。俺がオマエにウソつくか？｣
｢せやけど・・・｣
｢なぁ、おーくらに代わるから電話出てやり？｣
｢・・・んー｣
店のなかやと話もできんから
今はホテルに戻ってゆうちんの部屋に戻ってきたって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 305人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cayochi(プロフ) - さとぴさん、はじめまして。コメントありがとうございます。旅立つ人にも決意と人生がありますから気持ち良く送り出せればいいなと思い書きました。今いろいろ心が痛むことも多いと思いますので、お話が癒しになれば嬉しいです。ありがとうございます♡ (10月8日 19時) (
レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
さとぴ(プロフ) - はじめましてm(_ _)m素敵な お話ありがとうございます。読んでて、涙が溢れてきました。自分は、他のグループに推しさんがいますが(⌒-⌒; )送り出して貰えるって幸せだなって。休止中の彼の気持ちは、当然ご本人にしかわかりませんが。本当に、お話に癒されてます。 (10月7日 14時) (レス) @page48 id: 961310e404 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - (名前)ゆーきゃんさん» 私もついつい脳内で重ね合わせて妄想してニヤニヤしてます(笑)春服はちょっと忠義さん寄りにしたのかなぁ、とか追伸は忠義さんのことかしら？なんて(笑)超絶イチャコラ、待っててくださいねー！私も早く甘いふたりが書きたいっ (2019年3月24日 0時) (レス) id: e43f968c2a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆーきゃん(プロフ) - レンジャーやら日記を読む度に、“信ちゃんと奥様会かぁ”とか“マルコタで乾杯したんかぁ”とか“二人で満月見たんかな？”とか妄想しちゃう...。すっかり“恋シリーズ煩い”してマス！超絶イチャコラ...エエ子にして待ってまーす笑。 (2019年3月22日 9時) (レス) id: 9b0edcc515 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - kkoyanagiさん» 安心してください！続きますよ(笑)自分で読み返しても完結するのかと思いました(笑)更新したら超絶イチャコラさせる予定です。best3だなんて嬉しいなぁ。亀更新ですが楽しんでくださいね！ (2019年3月22日 8時) (レス) id: e43f968c2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cayochi
| 作成日時：2019年1月2日 22時
