まいにち

焼きそばと笑い顔　りゅう3 ページ43

ささっと、焼きそばは完成。
大皿によそって持っていこうとしたら

｢ただいまぁ｣

玄関で信ちゃんの声。

｢おかえりぃ。早かったね｣
キッチンから顔出したら
｢たまには、ゆっくりせな。クールダウンも必要や｣
ちょっとお疲れ気味の顔。

勝手に知ったるなんとやら、でフツーにあがって
フツーに手ぇ洗いに行ってうがいガラガラ始めてる。

｢焼きそばできたで｣

オコタの上にドンと置いたら

｢｢｢うわーぃ｣｣｣

って群がる、群がる。

｢俺とマルのも残しといてやぁ｣
信ちゃんが声をかけるとノールックで
｢｢｢おかえりぃ｣｣｣
一応お迎えはしたみたい。

｢はいはい。ただいま｣
なんも気にせず部屋着に・・・
これまたなんの声かけもなく
クローゼットから自分の出してきて着替える信ちゃん。

｢しんちゃぁん、亮ちゃんが餃子食べたいって｣
｢んー。こっちにあったっけ？｣
｢あるよー。焼いてええ？｣
｢じゃぁ、俺焼くわぁ｣

お疲れ気味のお仕事帰りなのに
亮ちゃんが、って言うとそそくさキッチンに入ってくる。
まぁ、章ちゃんが言っても俺が言っても忠義が言っても
焼いてくれんのやけど。
ゆうちんのときはあれこれおまけ付き。
俺らのオカンは面倒見が良すぎ。

じゅぅじゅぅと餃子を焼く音。
他愛ない会話。
時々つっこまれて時々照れて。
信ちゃんとのお喋りは心地いい。

ええ匂いがキッチンに充ちる頃

｢餃子まーだー｣
って声がする。
きゃいきゃい楽しそうな酔っぱらいの笑い声。

｢亮ちゃん、ごきげんさんやな｣
｢あいつもいろいろ考えてたんやろ｣

信ちゃんも考えてはったやろ？
疲れた顔して。

｢ん。上出来｣
羽根つきの餃子をフライパンからお皿にひっくり返して
満足そうなオカンのドヤ顔。

｢ほぉれ、誰か取りおいで｣

よく通る声。

｢はぁい｣

今度は章ちゃんが取りに来た。

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