恋 彼らのお話2

電話　しんご1 ページ11

｢あいあーい｣

｢俺ですけれども｣

｢おん。元気か？｣

｢おん。そっちは？｣

｢みんな元気でやっとりますよ｣

｢あんさぁ｣

｢あいあい｣

｢んーと｣

｢なんですの｣

｢ヨコとさぁ｣

｢おん｣

｢ほんとに付きあってるん？｣

｢そうですよ｣

｢ヨコから連絡がきまして｣

｢はい。知っとりますよ｣

｢あぁ、知ってるんか｣

｢隣におりましたんでね｣

｢いたんかぃ・・・ほんまなんやなぁ｣

｢言うの遅なってすまんかったなぁ｣

｢せやで。なんではよぅ言ってくれんかったん｣

｢ホンマ、すまんかったわ｣

｢まぁ、ええけど。うまくやってるん｣

｢お、おん｣

｢ならええわ。で、どっちがどっちなん｣

｢何よ、それ｣

｢せやから、あっちがどっちかって｣

｢はぁっ？教えるかいな、そんなもん｣

｢ええやん。ヨコ、満足させてくれてるかぁ？｣

｢お？おん。まぁ、なぁ｣

｢きもっ！そこで照れんなし｣

｢照れてないわ｣

｢まぁ、ええわ。今度戻ったら飲も｣

｢おん。体気ぃつけぇや｣

｢雛もな｣

｢ありがと。じゃぁな｣

｢あっ。ひなぁ？｣

｢んー｣

｢幸せにな｣

｢おん。ありがと｣

｢ほな｣

｢また｣

そこで切れた電話。
俺のもう一人の分身。
ニシシって口に手ぇ当てて笑う顔が目に浮かぶ。
時々無性に会いたなるけど
元気で歌ってくれてれば、それでええ。

ほな、また。
それでええ。

甘い　きみたか1→←お見通し　しんご

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す