My Funny Valentine 2

非凡の花束　たつ ページ6

テーブルの上に、ぽつんと豆大福。
２つ並んでる。

なんだか見覚えあるな。

「たぁ、お茶いる？」
「ん。あんがと」

ホテルの部屋、ちっちゃなポット。
ティーバッグの緑茶入れてる隆平。

はい、どうぞってお茶置いて
俺の横に並んで座った。

「出先やからコンビニのやけど」
「俺これ好きやで？」
「おん、知ってる」

ふふふ、って顔見合わせてお茶啜る。

へっ？嘘っ！

一瞬、隆平がおじいちゃんに見えた。
目尻にくしゃくしゃの皺。
髪も真っ白の白髪。

驚いて持ってたお茶碗、
ひっくり返しそになった。

「どしたん？」

隆平が、ん？って顔して俺を見てる。

「いや、なんもない」

錯覚よなぁ。
隆平がおじいちゃんに見えたなんて言えんから
手滑ったって笑って誤魔化した。

「さっきな、お茶淹れてる時」
「おん、どした？」

「たぁがおじいちゃんに見えてん」
「おじいちゃんのたぁも男前やったわ」

あははって楽しげに笑ってる。

「俺もさっき見えたで」
「何がぁ？」
「じーちゃんになった、りゅう」

ほんまぁ？
ほんまに！

ふたりしてゲラゲラ笑う。

「どやった？俺」
「じーちゃんになっても、頬っぺたツルツルやった」

つるん、て頬っぺた撫でたら
ちょっと拗ねた顔になる。

「んー、そうやなくて」

んふ。ウチの子、やっぱり可愛いわぁ

「りゅう、一緒に年とろうな」
「皺しわになっても可愛がってくれるん」
「俺がヨボヨボになっても愛想つかさんでいてくれたらな」

ぎゅうぎゅう抱きしめて、
ちゅうっと長めにキスをした。

笑いながらするキスは
いつの間にか深く絡んで
すぐそこにあるベッドまで縺れながら歩いてく。

バスローブの胸元開いて
痩せても柔らかい肌に手を伸ばす。
ちっちゃな突起がぴんっと立ち上がってるから
人差し指で弾いて遊ぶ。

隆平のくちびるから息が漏れる。
俺はその甘さに酔っぱらう。

ふ、ぅん

「ね、いつまで、、だ、いてくれる？」
「いつまでも」

頬っぺたにちゅってキスしたら
くすぐったそうにクスクス笑う。
笑いながらするのは
途轍もなくイヤラシイ行為で
ふたりの体の間で猛々しくなったソコが
触れあってグジュグジュと音をたててる。

あとどのくらい一緒にいられて
あとどのくらい抱きあっていられるかなんて
神様にだってわからんと思う。

だけど俺たちは笑いながら抱きあって
未来を誓い合う。

テーブルの上には豆大福がふたつ。
冷めてしまったお茶が２杯。

きっとまた来年も笑いながら俺たちは交わる。

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