恋彼らの片思い2 (ページ15)

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ストロベリィショウトケェキ　まさや1 ページ15

来てもぉた…。

勢いだけで迷惑も省みず。

大阪での仕事帰り。
買い物ついでに通った、ちょっとコジャレたケーキ屋さんの前。

オカンが買ってきてくれたショートケーキ、
めっちゃ美味かったのを思い出した。

「安田くんに会いたい」

明日、お誕生日のあの人に。

そう思ったらちっちゃいホール1つとロウソク買ってた。

『章大くんお誕生日おめでとう』

なんてチョコレートのプレートまで付けて。
オカンに

『仕事で遅くなりそうやからセーヤくんち泊まる』

ってメッセージ送って、東京行きの新幹線に飛び乗った。

何度か寄らせてもらった記憶頼りにどーか着いてはみたものの。

あと５分で日付が変わる。

真夜中にケーキ持って訪ねてくる後輩なんて…
あつかましすぎやんなぁ。

迷惑やって嫌がられるわ。

どーしよ。

不審者か、思われるくらい安田くんのマンションの下ウロウロしてた。
保冷剤、目一杯入れてもろたけど、
生クリームも溶けてまってるやろな。

ビジネスホテルにでも泊まって食べれるだけ食べてまお。

明日は仕事夜からやし、学校もないからちょうどええ。
駅前まで歩こうってＵターンしかけた時に

「まさやぁ？なにしよるん」

後ろからのんびりした声で呼ばれて

「ひゃっ」

漫画みたいに驚いた。

「なぁにそんなに驚いてぇ」

「い、いや、あの…」

「ははは！コンビニ寄って帰ってきたら
見たことあるんがウロウロしてるからさ」

「えっ、あ、すんません…」

ストーカーみたいやん、俺。
急に恥ずかしくなって逃げ出してまいたくなった。

「し、失礼しま「ウチ、来てくれたん？」

こてん、って首傾げた安田くんがにっこり微笑む。

か、可愛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…

「誕生日、祝いに来てくれたんやないの？」

「やっ、、あっ、なんでっ？」

「ケーキやろ？その箱」

「…はい」

「えー。嬉しいわぁ、一緒に食べよ」

「いいんですか？」

「いいに決まってるやろ」

おいで、って手首掴まれて導かれる。

白いシャツワンピースにレギンス履いて
俺の前を歩く後ろ姿。

甘い匂いがフワフワ漂う。

「ずっとあそこらへんウロウロしてたん？」

「…はい」

「連絡してくれたら良かったのに」

「勢いで来ちゃったんで、迷惑かなって…」

「迷惑なんてことあるわけないやろぉ。
いつでもおいでって言わんかったっけ」

安田くんは優しい。
誰にでも。

勘違い、したくなる。