明日 (ページ28)

今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:158,955 hit

微熱　りゅう2 ページ28

｢アホかっ！ちょっとは手加減してやりって&%#*！｣
｢ごめーんて。りゅぅ、可愛いんやもん。しゃぁないやん｣

結局ゆうちんには忠義が電話してくれた。
熱がある言うたら
髪も乾かさんでイタシタこと
何故か感づかれて叱られてる。

｢ゆうちん、ごめぇん。すばるくんにも謝っといって｣
スピーカーにしてもらってひとこと言うたら

｢こっちええから、ゆっくりしぃ？無理したアカンで｣
ゆうちんは俺に甘い。

きっとすばるくんと面白おかしく話すんやろな。
でも、まぁいっか。
今日は親友同士でゆっくり語り合ってほしいから。

電話切った後もうちの可愛い熊さんは
シュンとした顔で俺の髪を撫でてる。

｢りゅう、ごめんな｣
｢もぉええって｣

ほんまにええの。
やから、今度は俺が忠義の頬を撫でる。

｢こないだ、りゅう迎えに行ったとき
すばるくん、めっちゃ切ない顔でりゅうの髪、撫でてたん｣

泣きそうな、熊さん。
愛しくて可愛らし。
俺の大事なダンナさん。

｢りゅぅは？すばるくに会うたら切なくなる？｣
｢ならんよ。単純に会えて嬉しいだけ｣

友達やし、憧れの人やもの。
会えて話ができて嬉しいし楽しい。
それだけ。

｢たぁの話ばっかして怒られたわ｣

来て。
ベッドの隣、ポンポンってしたら
ちょっと戸惑ったけど滑り込んできた。

｢仕事行くまで一緒に寝てて｣

ぺと、ってくっついたら
オデコにキスが落ちてくる。

｢体しんどない？｣
｢だいじょぶ。ポヤポヤしとるだけ｣
｢なんか腹に入れて薬飲まな｣
｢おん。もっこし後でもええ？｣
｢お粥さん炊いたるから食べたなったら言い｣
｢おん。あんがと｣

忠義の腕のなかで忠義の匂いに包まれる。
ポヤンとあったかくて心地ええ。
眠りに落ちる少し前の幸せな時間。

｢たぁ、愛してんで｣

忠義の大きな手が背中をトン、トンと叩く。
寝かしつけられる赤ちゃんは
こんなに幸せな気持ちなんやろか。

｢俺のほうがずっと、ずっと愛してる｣

遠退いてく意識のなか
柔らかな忠義の声が聞こえる。
このまま眠ってしまおう。

目覚めた時には熱もきっと下がってる。

おやすみ。ダーリン。
俺の可愛いヤキモチ熊さん。