恋 彼らのお話3

お誕生日ありがとう　きみたか2 ページ18

案の定マルとおーくらがドカドカはいってきた。

｢お料理お持ちしましたっ｣
｢たぁくん特製アクアパッツァやでぇ｣
｢まぁ、捌いたの俺だけどねー｣
｢相葉くん、お魚の扱い上手やなっ｣
｢おーちゃん、大漁やったしね｣
｢アジがいい季節になったからなっ｣

なんだかわちゃわちゃやってるわぁ。

｢にーちゃん、賑やかやねぇ｣
｢アイドルとは思えへんわぁ｣

弟たちも慣れたもんでニコニコしてる。

｢ほれ。他の料理もあるし乾杯しよ｣
信五が声かけるとそれぞれ適当に座った。
｢亮とヤスも後で顔出すって｣

勢揃いやな。

なぜか信五に指名されたマルが畏まって
｢では、ゆうちんのお誕生日と言うことで｣
｢・・・挨拶は短めに！｣
｢はいはい。カンパーイ！｣
｢｢｢｢｢｢カンパーイ｣｣｣｣｣｣
｢ありがとぉ｣

まずは相葉ちゃんが
差し入れてくれたシャンパンで乾杯して
それからは食べて飲んで大騒ぎ。
途中で合流したどっくんとヤスも
あっという間に酔っぱらってる。

｢あ。せや、信五。話したいことって何？｣
｢お。そやな。んじゃ、盛り上がってるとこ悪いけど｣

はい、ちゅもーく！って信五がでかい声出したら
みんなちゃんと振り返る。

きちんと正座して背筋伸ばした信五が話始める。

｢あんな、勤と充に聞いてもらいたいことがあります。
みんなも一緒に聞いててくれ｣

くるんと信五の方、向き直した勤と充。

｢おん。聞いてるで？｣
｢村上くん、なぁに？｣

｢ふたりにはちゃんと挨拶せないかんと思ってましたけど
なかなかちゃんと話できんですんませんでした｣

信五の真剣な声に俺も弟たちも座り直した。

｢俺はこの先ずっときみと添い遂げたいと思うてます。
今も夫婦という気持ちで一緒に生活しとります。
男同士やし難しいことも沢山あるし、
世の中的にはまだまだ認めてもらえんのも重々承知です。
そやけど俺はきみと生きていくことを選びました。
ふたりに迷惑かけることもあるかもしれません。
それでも、お願いです。
俺を家族の一員に入れてください。
宜しくお願いします｣

シーンとした部屋。
ふたりに向かって頭を下げる信五。

｢俺からもお願いします。
信五と添い遂げる覚悟やねん。
俺にはコイツしかおらんから｣

俺も一緒に頭を下げた。

｢村上くん、にーちゃん｣
勤の穏やかな声。

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