SJオフィスパロ (ページ10)

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いたずらされる金曜日ページ10

「――そんでさぁ、シウォナの奴、取引先になんて言ったと思う？」
「どうせ布教活動でもしたんでしょ」

サービスされた山盛りのご飯を豪快に掻き込みながら笑うヒョクに、私も話の結末が分かっていながらもつい笑ってしまう。

…この間、ヒョクに仕事を手伝ってもらってから、私とヒョクの仲は前よりもうんと近くなった気がする。というか、確実に近くなったんだろう。前までは偶然食堂で出会ってもお昼なんて一緒に食べた事も無かったのに、今はこうして向かい合って食べてるし。
そして、二人でご飯を食べていて分かった事もある。
ヒョクは、めちゃくちゃよく食べるのだ。甘辛いお肉と一緒にガツガツと掻き込まれていく白米を見ていると、こっちがお腹いっぱいになりそうなくらいに。
しかも、食べた分が全て筋肉に回っているんじゃないかと思う程に筋肉質、だと思う。がっしりと抱えられた時の腕のといい、ぐっとヒョクに近付いた時に当たった胸板といい、見た目はほっそりしていても触ってみると案外男らしい太さがあって。そりゃあ無理やり飲み屋に連れて行かれた時に私がヒョクの腕の中でいくら藻掻いても全く動じなかったわけだ。

「忘れ物」なんて言いながらしれっと私の仕事を手伝ってくれたり、あんなに子どもみたいに笑ってるくせに、私の抵抗なんて軽くあしらうような力強さを見せられてしまったり。あの日見たヒョクが今までのイメージとは掛け離れ過ぎていて、正直少しだけヒョクとの距離感に迷ってしまう。
…いや、別にヒョクが好きだとかではない、と思っているけど。意識しているのは確かで。

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