SJオフィスパロ (ページ13)

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相変わらず楽しそうに『ワ』を描いた口元が、珍しくいたずらっぽく歪んでいく。くい、と上がる片眉が、彼には珍しく色気を含んでいて…この表情は初めて見たかも。なんて油断していると。

「んむ！？」
「な…お、おま…！」

ちゅ、と音を立ててドンヘの口から現れた、さっきよりも少し小さくなった棒キャンディ。世界で人気の可愛いキャラクターの顔が描かれていたそれは、ドンヘのせいでもう溶けてどのキャラクターだか分からないなぁ…なんてぼんやりと考えていた私の口に、気付けばそれは無遠慮に押し込まれていた。

「ど、んへ…！？」
「お菓子くれないから、これがイタズラ」

にま、と笑うドンヘが、直視出来ない。

今まで彼の口の中に入っていたんだと無理やりにでも実感させられる飴の生ぬるさに、顔がどんどん熱くなっていくのが分かる。だ、だって…あの、私達と話してる最中も、ずっと目の前でキスしたりべろべろしたりしてるのを見せられてたし、それを私の…他人の口の中に入れるって…！！

「ヌナ、来年はちゃんとお菓子ちょうだい！」
「…っ、」
「はい、お前はわいせつ罪で逮捕。俺が連行しまーす」
「ヌナー！また明日ね！」

ヒョクに首根っこを鷲掴みされて強制退場させられる姿も直視出来ないまま、事態が飲み込めない私はチャイムが鳴るまでそこから動けないでいた。

…ドンヘに放り込まれた棒キャンディは、最早何味だか分からない