…2-3… ページ3
「あれってジヨンの妹じゃない？」
ふと上げた視線
目の前には並んで歩く、セナとスンリの後ろ姿
「ジヨンの妹って可愛いよな〜」
「……」
「あいつらって付き合ってんの？」
「…………なわけねぇだろ！！」
おいって呼ぶ声がしたけど無視したまま、置き去りにしたクラスメイト
そんな怒んなよって言われても、自分がどうして怒鳴り声を撒き散らしたのか
見慣れてるはずのふたりの距離に、なんか腹が立ったから声をかける気にもならなかったけど
苛立つ理由がわかんねぇのが、もっとイライラを引き起こして
傘の柄を持つ手に力が入る
深刻そうに話し込む、会話が途切れ途切れに聞こえて来て
「あたしはどうしてもおっぱが好きで、子どもの頃からずっと好きで。
でも告白したら気まずくなって、もう今までのようには暮らせなくなる。」
セナの声が、ゆっくりと俺の呼吸を止めた
セナの頬には涙が流れる
スンリが困った顔をしながら、その雫をゆっくりと拭った
「ジヨンくん？びしょ濡れじゃない！」
家に帰ると母さんが慌ててタオルを持って俺に駆け寄って来た
「今日はセナと一緒じゃなかったの？」
雨の中、うんと遠回して走ってきたからか少し肌寒かった
ふるふると無言で首を横に振ると同時にがチャリと開いたリビングの扉
少し目を赤くしたセナと目が合った
またこの感覚
ずきずきと、心臓が痛み出し始めるとさっきのセナを思い出す
この痛みは…………高鳴りとも似ていて
違う
やめろ
俺たちは
「………………おっぱ？」
無意識にセナに伸ばしてた腕を
不思議そうに俺を眺めるセナに我に返って引っ込めた
冗談じゃない
俺たちは……家族なのに、って
その言葉が、何よりも苦しくて切ないって初めて気が付いた
初めてセナを見た時に感じた想い
俺たちは兄妹なんだから
何度、自分にそう言い聞かせてきたのだろう
心臓が悲鳴を上げて、もう立ってんのも苦しかった
なんて、ばからしい
そんなもんに取り憑かれられて生きていかなきゃいけないなんて
運命ってやつは……理不尽でしかないんだろう
ただ、理解し難い自分の感情を
一人で消化することしか出来なかったんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
merry(プロフ) - なつこさん» なつこさん！お返事遅くなりました(>_<)未だに不安定な状態で心配事もたくさんありますがわたしもなつこさんとまたお会い出来るように準備しております！体調をくずされませんようお元気でお過ごしください！ (2020年6月3日 23時) (
レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
なつこ - お元気ですか？見えない敵と闘いつつ、もはや共存していかなければならない今になって、自由やありのままの生活のありがたさに気づきました。merryさんと再会できることを願っています。ご自愛ください。 (2020年5月9日 22時) (レス) id: c319d287df (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - たかさん» たかさん！いつもありがとうございます。たくさん更新出来いことや、色々思い悩んでましたがこんな素敵な言葉を頂けて嬉しくて幸せです。テテちゃんのお話とジヨン先輩のお話楽しみにお待ち頂けるとありがたいです(*^^*) (2020年2月26日 0時) (レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
たか(プロフ) - merryさん！とりあえずお疲れ様でした。そして新しいお話ありがとうございます！テテにも素敵な幸せが来ること楽しみにしています。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: b941ac7055 (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - ともこさん» ともこさん！わーん(><)ひとつひとつ言葉を大切に読んでいただけて本当に嬉しくて泣きそうです。これから甘々なジヨン先輩を想像していまからにやけてます。本領発揮したジヨン先輩のターンをもう少しだけお待ちくださいね！いつもありがとうございます！ (2020年2月7日 1時) (レス) id: 04887bd533 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：merry
| 作成日時：2019年9月19日 20時
