lovesickness 2-42 ページ43
｢Aさん知り合い？｣
1歩前に足を踏み出せば、驚きを隠せない顔のソクジンさんに手首を掴まれて
｢失礼します！！｣
振り向きざま、手を振り払うように頭を下げると呆気にとられたソクジンさん
でもそんなことを気にしてる余裕なんかなくて
｢……遅い。｣
迷いに迷って、あたしが開けたドアは後部座席
｢この車…ジヨンの？｣
｢これはスンリの。俺のはしばらく使ってないしたぶんエンジンイカれてんだろうな。｣
ハンドルを握るジヨンはどことなく不機嫌で
フルスモークの車内は外の世界と遮断されたような気分になってくるけど
｢ジヨン｣
｢ん？｣
｢大丈夫なの？｣
｢……何が？」
もし誰かに見られたらって不安をよそに
返ってきたジヨンの返答は素っ気ないものだった
それからしばらくして車はジヨンのマンションの裏口から地下駐車場へ
一緒に乗ったことがないエレベーターで最上階に
部屋に入るなりソファに座って、タバコに手を伸ばした
｢なに突っ立ってんの？｣
やっぱり不機嫌なジヨンのいつもより少し低いその声に促されて隣に座れば
｢まだ聞いてなかった。さっきの誰？｣
｢彼はいま仕事で関わってる人で｣
｢それだけ？｣
｢うん、｣
ふわりとジヨンの唇の隙間から、白い煙が漏れる
｢最近Aちゃんが笑わなくなったのって…どうして？｣
居心地悪い空気
その原因も取り除く術もわからない
｢笑ってる…もん、｣
｢笑ってねぇよ。｣
うまく笑いたかった
ひとりになると、時々
理由もなく泣きたくなってくる
ジヨンと一緒にいない時は落ち着かない
毎日毎日
朝も昼も夜も
あたしのすべてはジヨンでいっぱいで
得体の知れない不安に襲われていて
この苦しみも痛みも、あたしのわがままなんだと思えば
ジヨンには知られたくなくて
｢Aちゃんの目には俺はどんなふうにうつってんの？｣
ぎしっとソファの軋む音
同時に視界もゆらりと揺れる
｢Aちゃんが俺の知らないやつと喋ってんのめちゃくちゃ嫌だった。｣
真上から振り落とされる視線に顔を上げたら、すぐそこにジヨンの顔があって
全身がどくっと震えて、息苦しささえ感じるけど
それでも、触れたくてもどかしくて
｢嫉妬するし…不安にもなるし。Aちゃんの前ではただの男なんだってば、｣
もう少しで、唇が触れそうな距離で
ジヨンが、｢すげぇ好きなんだよ」って囁いた
lovesickness 2-43→←lovesickness 2-41
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1049人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
merry(プロフ) - yraさん» 本当にたくさんの嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。これからますます寒くなっていくのであったかくしてお過ごしください。来週には…新しいお話始められるように頑張りますね！ (2018年10月31日 0時) (
レス) id: a3b0dc7c0a (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - yraさん» yraさん！こんばんは☆コメントと最後までお付き合いしてくださりありがとうございます！今回のじよんくんの話口調はいつもより甘さを倍増してみました(´∀`)きゅんとしてもらえて嬉しいです！次のお話もたくさん愛情を込めて書くので楽しみにしてもらえると幸いです！ (2018年10月31日 0時) (レス) id: a3b0dc7c0a (このIDを非表示/違反報告)
yra - 寒いし体調お気をつけてください〜（；＿；）！！いっぱいコメントすみません（ーー；） (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
yra - 今回のお話はいつもよりじよんくんが甘い感じがしてすごく泣きそうになるぐらいきゅんさせてもらいました（；＿；）本当にmerryさんのお話はあたたかくなるものばかり...眠れない夜中みさせてもらってます(笑)次回も待ってますお世話になります!!(笑) (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
yra - merryさんお疲れ様でした!!いつもこっそり読ませてもらってるのですが初めてコメントさせて頂きます...!! (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：merry
| 作成日時：2018年8月4日 1時
