lovesickness 3-34 ページ35
｢ごめん…って言おうとした？だったらそれは聞きたくないかな。｣
テーブルに両肘乗せ、頬杖ついて
ストローを噛みながら、じーっとあたしを見つめてくるテヒョンが
｢こんな時でも俺のこと見ないんだもん。｣
苦笑いの混ざったため息を吐き出した
｢俺、会ったよ。Aの彼氏に。｣
｢…嘘｣
｢ほんと。｣
｢どうやって？｣
｢秘密。｣
肝心な事をはぐらかして、ひひひっと得意気に笑うテヒョン
｢芸能人だし、あーいう立場の人だし、Aのこと弄んでるんだと思ってたけど。｣
俺のこと見てね、明らかに嫉妬してる顔してさ
同じだった、俺と
Aを、ひとりの女の子に恋してる普通の男だった
テヒョンの独特なテンポで語られる言葉を
あたしはこんがらがった頭の中で必死で追いかけて
｢だから、大丈夫。｣
そう言って立ち上がったテヒョンが少し一緒に歩かない？って
弱く微笑んで背を向けてお店を出た
あんなに饒舌に話してたくせに、なにも喋らなくなったテヒョン
人混みの中、重たい沈黙を破ったのは
｢最後に抱きしめてもいい？｣
振り返って笑った顔が今にも泣き出しそうで
次の瞬間
ぐっと腕を引かれて
ふわっと香るのは懐かしいテヒョンのにおい
｢俺モテるからすぐ彼女とか出来るし。｣
｢…うん｣
｢めちゃくちゃ幸せになるから｣
抱きしめてるからテヒョンがどんな顔してるかわからないけど
笑ってるのが振動で伝わる
でも、指先が震えてるのにも気がついてしまった
｢Aは俺以上に幸せになって。｣
自分が幸せになると
誰かが不幸になるって
誰かを傷つけてしまうって
それを知ってしまったら
胸が苦しくて苦しくて
自分が傷付けられる痛みより
誰かを傷付ける痛みの方が遥かに大きい
｢あ、時間切れ。｣
ぱっとあたしから手を離したテヒョンが
｢待ってんじゃない？Aのこと。｣
さっきから鳴りっぱなしのスマホの入ったカバンを指差した
こんな瞬間にも、会いたくなる
ジヨンに、今すぐ会いたい
あたしはいつから、こんなにもジヨンを好きになっていたのだろう
｢ありがとう。Aのこと大好きだったよ。｣
ぽんっと背中を押したテヒョンはきらきらと眩しくって
ごめんって言葉は
罪悪感から少しでも逃れるための
自己暗示にしかならないから
｢ありがとう、｣
涙を溜めたまま、あたしは精一杯微笑んで返した
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merry(プロフ) - yraさん» 本当にたくさんの嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。これからますます寒くなっていくのであったかくしてお過ごしください。来週には…新しいお話始められるように頑張りますね！ (2018年10月31日 0時) (
レス) id: a3b0dc7c0a (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - yraさん» yraさん！こんばんは☆コメントと最後までお付き合いしてくださりありがとうございます！今回のじよんくんの話口調はいつもより甘さを倍増してみました(´∀`)きゅんとしてもらえて嬉しいです！次のお話もたくさん愛情を込めて書くので楽しみにしてもらえると幸いです！ (2018年10月31日 0時) (レス) id: a3b0dc7c0a (このIDを非表示/違反報告)
yra - 寒いし体調お気をつけてください〜（；＿；）！！いっぱいコメントすみません（ーー；） (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
yra - 今回のお話はいつもよりじよんくんが甘い感じがしてすごく泣きそうになるぐらいきゅんさせてもらいました（；＿；）本当にmerryさんのお話はあたたかくなるものばかり...眠れない夜中みさせてもらってます(笑)次回も待ってますお世話になります!!(笑) (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
yra - merryさんお疲れ様でした!!いつもこっそり読ませてもらってるのですが初めてコメントさせて頂きます...!! (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：merry
| 作成日時：2018年8月4日 1時
