lovesickness 2-12 ページ13
さっきまで晴れあがってた空はどんよりとした雲に覆われて
今にも雨が振りそう
あたしは雨が嫌い
大っ嫌い
石畳の坂道をヒールの音が響く
この街が好きだってジヨンが言ってた
ジアさんは大好きな人が好きな街って言ってた
ジアさんの気持ちは今どこにある？
ぐるぐる回る思考回路と、ばくばく嫌な動き方をする心臓
もしかしたら……ジヨンの気持ちをジアさんは動かしてしまうかもしれない
あたしとジヨンは束の間の幸せだったんじゃないのかって
会わせたくない
あのふたりを会わせたらだめだって
頭の中を埋め尽くす嫌な予感
ただの思い込みかもしれないけど……
大きく肩で息をして、エレベーターの扉の前に立つ
ジヨンの泊まってるフロアには専用のカードキーが必要だって思い出した
フロントに言っても対応してくれるはずがない
焦る気持ちで取り出したスマホ
掛けた相手はもちろんジヨン
耳に落ちるコール音より先に開いたエレベーターの扉
｢あれ？Aちゃん。どうした？｣
金色の髪がふわっと揺れて
サングラスの奥の目が優しくあたしを捉える
｢ジヨンっ｣
｢え？｣
｢今から部屋に戻れない？｣
｢どうしたの急に？｣
｢お願い……｣
ぎゅっと掴んだジヨンのジャケット
困ったようにジヨンが笑う
こんなつもりじゃなかったのに
｢なにかあった？｣
｢………｣
｢甘えん坊のAちゃんって珍しいじゃん。｣
ぽんぽん頭を撫でるジヨンが人の目があまりつかないロビーの隅のソファに座らせた
あたしが思い切りジヨンの腕に顔を埋めたから
全部ひとりよがりで、子どもじみたあたしの行動は滑稽
でも何一つ文句言わないで
ジヨンが優しいと、あたしは悲しくなる
こんなところで、こんなわがまま
ジヨンに迷惑かけてるのは、わかってても
不安がなくなるまで
ぎゅっと……抱きしめてほしかった
｢……ジヨン。｣
人生はいいことばかりなんか、続かない
神さまってほんとは意地悪なのかな
今起きた“偶然”はあたしをどこに連れて行くんだろ
未来へのページが引き裂かれる音がする
ジヨンの脈拍がどんっと鳴ったのが、ぴったりくっつくあたしにも伝わって
息が吸えなくなって、瞬きも出来なくて
｢………ジア、｣
今までに聞いたことがない、ジヨンの声は
すごく……寂しくって
とっても切ない音を奏でた
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merry(プロフ) - yraさん» 本当にたくさんの嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。これからますます寒くなっていくのであったかくしてお過ごしください。来週には…新しいお話始められるように頑張りますね！ (2018年10月31日 0時) (
レス) id: a3b0dc7c0a (このIDを非表示/違反報告)
merry(プロフ) - yraさん» yraさん！こんばんは☆コメントと最後までお付き合いしてくださりありがとうございます！今回のじよんくんの話口調はいつもより甘さを倍増してみました(´∀`)きゅんとしてもらえて嬉しいです！次のお話もたくさん愛情を込めて書くので楽しみにしてもらえると幸いです！ (2018年10月31日 0時) (レス) id: a3b0dc7c0a (このIDを非表示/違反報告)
yra - 寒いし体調お気をつけてください〜（；＿；）！！いっぱいコメントすみません（ーー；） (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
yra - 今回のお話はいつもよりじよんくんが甘い感じがしてすごく泣きそうになるぐらいきゅんさせてもらいました（；＿；）本当にmerryさんのお話はあたたかくなるものばかり...眠れない夜中みさせてもらってます(笑)次回も待ってますお世話になります!!(笑) (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
yra - merryさんお疲れ様でした!!いつもこっそり読ませてもらってるのですが初めてコメントさせて頂きます...!! (2018年10月30日 2時) (レス) id: 912176fc7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：merry
| 作成日時：2018年8月4日 1時
