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ma baby ページ49

｢わたし、劣等感のかたまりなの。｣

小さなため息を漏らすAちゃんのほっぺたに手を添えると

ちょっといじけたみたいに唇を尖らせて

｢子どもの頃から勉強も運動もジウの方がよく出来て。わたしはお姉ちゃんなのに何一つ勝てなくてね。｣

｢だから、ヌナって呼ばれるの嫌なんだ。｣

｢そう。他人と比べられるの嫌なくせに、大人になって気がついたら
誰かと比べてるのは……結局は自分だって。｣

俺を伺うように見上げたその顔

子どもっぽくも見えたし

洗練された大人の女のようにも思えて

どきっと心臓を1回揺らした

油断してるとこーやって

翻弄される

｢まだ足りない？｣

｢え？｣

俺を真っ直ぐに見つめる大きな瞳

不安になんか、ならないで

｢俺はどんなAちゃんだって、大好き。｣

柔らかくて、甘い唇は

いつだって俺を誘惑する

世界中の愛の言葉を

全部ひとつに纏めてAちゃんに捧げても

足んないのは俺の方

｢Aちゃんのこと、一生かけて大事にします。俺、そう言ったよね？」

｢……うん。｣

俺もAちゃんも

どんな時も真っ先に頭に浮かぶのはお互いのことでしょ？

｢Aちゃんと結婚したい。｣

まわりくどい約束よりも

より、はっきりと鮮明に

お洒落なレストランじゃないし

かっこいいセリフも

Aちゃんに似合う指輪も

なんの準備も出来てない

だけど

ずっと考えてた

ずっと言いたかった

俺たちが出会ったのは

偶然じゃなく、運命だから

きっと、こうなることは最初から決まってた

絡めた指先には、終わらない夢を

重ね合う恋しさは

いつまでも消さないで

｢Aちゃんを幸せにする自信なら誰よりもあるから。俺のお嫁さんになってください。｣

泣いたり、笑ったり、怒ったり

飾らない、ありのままのAちゃんが好きで

俺の全てを賭けて守っていきたい

Aちゃんをそっと抱きしめながら

何度も何度も、その存在を確かめた

君のことばかり考えてる俺は

こんなに幸せで満たされる

だから、お願い

早く俺の大好きな笑顔で頷いてよ

世界で一番、幸せにしてあげるから

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