24/7 (ページ48)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:440,460 hit

ma baby ページ48

｢…ダメ。全然ダメだわ。｣

｢何がダメなんですか？｣

PCの前で頭を抱え込んでいたら、隣からヒョナが覗き込む

｢夕飯頑張るって約束したの。｣

｢先輩初心者なんだからこれはレベル高いですよ。｣

仕事もしないで、画面上には料理レシピ

｢唐揚げにすればどうです？簡単だしスープとサラダ付ければ完璧。｣

｢そう？｣

ヒョナがマウスを操作して出てきたレシピを食入るように眺めた

これならわたしにも……出来るかも？

なんて、甘かった

教えてもらった簡単なレシピだってなんだか理解不能な暗号みたいで

ただ切って盛り付けるサラダはどうにかなったけど

お皿の上にはどう見ても焦げた唐揚げ……

頑張るって言ったのに

ジヨンに喜んでほしかったのに

女子力の問題じゃないよ……

こんな事なら普段から料理すれば良かった

ジヨンと付き合ってもうすぐ365日

一緒に住み始めてから1ヶ月

どんなに仕事が忙しくても、ジヨンは変わらずマメに連絡くれて

わたしを大事にしてくれてる

優しくて、かっこよくて

そんなジヨンがわたしを好きだなんて未だに謎なんだけど

その気持ちに応えたくて

わたしも大好きだよって…そんな気持ちを込めたかったのに

｢これじゃダメ…。｣

｢何がダメなの？｣

｢ぎゃ！！｣

後ろから突然くしゃっと髪を撫でられて

ゆっくり顔を横に向けると、視界にジヨンがうつる

｢いいにおい。唐揚げ？俺好きなんだ。｣

ジヨンがひょいと伸ばした手の行方にびくっとして

慌ててがしっと掴んで阻止した

｢Aちゃん？｣

｢美味しくないもん。｣

何言ってんの……わたし

まるで子ども

なんだか泣きそうになってるし

｢Aちゃん。顔上げて。｣

優しいジヨンの声に促され

おずおず顔を上げると

戯れるみたいに指先を一瞬絡ませた後、その手を解いて唐揚げをぱくっと口に入れた

｢うん。美味しい。｣

｢嘘。焦げてるじゃん。｣

｢Aちゃんも食べてみれば？｣

ほら、あーんって言われたから条件反射に開けた口

｢…美味しいかも。｣

｢ね？｣

頭をぽんぽんってしてくれて

恥ずかしくってまた俯いたら

｢Aちゃんが俺のこと考えながら作ってくれたのがすげぇ嬉しい。｣

しゃがんだジヨンが同じ目の高さに合わせて、重なった視線

真正面から微笑まれるとたまらない

大好きだなってきゅんとして、心臓が鷲掴みされて

泣きそうになりながら蕩けていく