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｢……いったたた、｣

ズキンと響く二日酔いの頭

カラカラに乾いた喉は引っ付いて軽く咳払い

あれ？……おでこと唇も痛い気がする

シャワーどころか、メイクも落とした記憶もないけど

無事に家までたどり着いて着替えもして

ベッドで寝てるわたしって偉いな

ごろりと寝返りしようとすれば、お腹に掛かる重みに阻まれて

新たな問題発生に気づいた

｢おはよ。よく眠れた？｣

聞き覚えのある声にばちっと目を開けた

わたしの部屋じゃないけど

見覚えが充分にある天井とお洒落な照明

お酒の残る身体を無理矢理起き上がらせて

あちゃーっと顔を手で覆ったら

｢どーしたの？｣

爽やかに微笑むジヨンがそっと髪を撫でた

飲んでる途中でメールしてたのは……覚えてる

後のことはすっかり記憶から抜け落ちてるし

｢気分は？悪くない？｣

｢頭は痛いけど…それよりおでこと唇が痛くって。｣

｢あっ、それね。｣

手を口元に当てて、くくくって思い出し笑いするジヨン

よく見たらわたしが着てたのはジヨンのルームウェア

｢ジヨンが着替えさせてくれたの？｣

｢Aちゃん脱いじゃうから。メイクも落としておいたよ。｣

｢ほんとごめん！｣

なんたる醜態を晒したんだろ！！

｢ん？なんか悪いことでもした？｣

茶色の瞳が意地悪く、じっと見つめて

ジヨンが向かい合わせによいしょと座り直すとゆっくり伸びる手

逃れようとした頭にすっと回された

軽いけど、すぐに離れないキス

好きだよって言ってるみたいに、何度も何度も触れる

するっとスウェットに忍び込む手の感触にびくっと反応すると鳴り出したケータイ

｢もうこんな時間。……行かなきゃ。｣

名残惜しむように離れた唇、至近距離で見つめ合う

ジヨンが前髪を掻きあげる仕草に見惚れてしまった

｢Aちゃんはゆっくりしててよ。｣

｢わたしも出る！｣

｢早く帰ってくるから。待ってて？｣

｢…お風呂とか、着替えとか。｣

｢着替えは俺のを使ったらいいから。ね？｣

ちょっと甘えてくる感じが擽ったくて

顔を傾けるジヨンが可愛くって

｢そしたら、俺頑張れる。｣

｢でも…｣

｢昨日Aちゃんを連れて帰るの大変だったんだけどな。｣

拗ねたわたしに少し笑って、手を握り

絡み合うふたりの指

縋るような目をゆらゆらさせる

｢ね？Aちゃんお願い。｣

首を縦に振る選択肢しかみつかんないよ

ジヨンのおねだりにわたしはめっぽう弱いから