Lv.+α 19 ページ19
ジヨンの言ってる言葉の意味はわかる
あまりにも唐突すぎて
わかるけど、わかんないって頭の中はごちゃごちゃで
｢もう、嘘でも会わなくてもいいとか言わないで。｣
黙ったまんまだけど、きっと口はぽかんと開いてる
そんなわたしのほっぺたをジヨンが柔らかく摘んで
｢……1日でも、ちょっとでも。離れてるのがもう無理だから。｣
吐息がかかるほどの至近距離
ジヨンに目を向けると、自然と絡み合う視線
｢Aちゃん。返事は？｣
｢えっと、その。｣
｢うん。って言えばいいの。｣
｢あの、｣
徐々に歯切れの悪くなるわたしを
ジヨンがじーっと見るからわたしも見返すと、ちょっと困った顔
｢嫌なの？｣
｢嫌じゃない！……けど｣
｢けど？｣
｢わたし重い女だけど、本当にいいの？｣
｢Aちゃんさっきから重い女って何が？｣
｢ジヨンが言ったんじゃん！｣
ありえない、ってびっくりしてる
ジヨンのぽかんとした顔
｢重いって？俺がAちゃんを？｣
｢うん。言ったもん。｣
｢身に覚えがないんだけど。…いつ？｣
覚えてないって……
わたしは散々悩んで悩んで落ち込んだのに
｢あの日…みんなでご飯食べた日。わたし…聞いちゃったの。｣
｢Aちゃんの機嫌が悪くなった日？｣
目線を斜め上に向けて考える素振りを見せた後
｢あっ！！｣
大きな声を出したと思ったら、急に真っ赤な顔になって
がくんと項垂れたジヨンがわしゃわしゃ髪を掻き毟る
｢ほら！言ったんじゃん！！｣
むっとした声でジヨンの肩をぺしんと叩くと
｢いや、そうじゃなくて。｣
｢だったら何？｣
せっかく仲直りした甘い雰囲気はどこへやら
この微妙な空気はわたしのせいだけど
はっきりしないと気が済まないもん
｢…あれは。俺がAちゃんのことをどれだけ好きかって……それをみんなに話してただけっつーか、｣
しどろもどろになったのはジヨンの番
｢…どれぐらい好き？｣
いじわるな質問をしてるんだろうか？
だって、いつもと違うジヨンが
可愛くって、愛おしくて
ぎゅって、ジヨンの長い指がわたしの指に絡まった
やっと顔を上げてくれたジヨンが、照れくさそうに笑ってくれたら
それだけで胸がきゅんってしてしまう
それはきっと、今からはわたししか見れない笑顔
悩みなんか一気に全部吹っ飛んで
結局好きが勝ってしまう瞬間
どうか、このままこの時間が続きますように
そう願わずにはいられない
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作者名：merry
| 作成日時：2016年12月22日 22時
