第26話 ！ ページ28
彼はAの全身が痺れていることに気付いていたらしい。
『悪趣味で性格が悪い方ね。 何もせず正直に言ってから吸血すればいいものを』
「ほう。まだ強気でいられますか？」
Aは彼を若干上目遣いで見上げるが、彼に許してもらおうなどとは思ってもいない。
逆に相手を睨んでいる。
その状態で睨み合っているとレイジがしゃがんだ。
そしてバッとAの左手を取る。
『…いたっ…』
痺れている所為でそれ程痛くないが、反射的に声が出てしまう。
「…はぁ…っ……ん」
彼の牙が手の甲の皮膚に刺さる。
痺れ薬のおかげか、ほんの少しの痛みしか感じない。
だが、快楽と痛みは別物らしい。
だんだんと手から快楽が体を支配し始める。
『…っん……ぃ』
右手で口を塞いだが、遅かった。
思わず甘い声が漏れる。
手から彼が吸い損ねた血が滴り落ちる。
床に溢れた血は花のように散る。
やめて
口にはしなかった。
いや、言えなかった。
でもその思いを表すように手を動かすとレイジは一瞬だけ吸血をやめた。
「吸血している時に動かない方がいいですよ。逆に深く牙が刺さりますから」
その言葉に驚いたが、敢えて何も反応しない。
今思えば何故だろうかと思う。
多分だが、その日までの吸血の所為で逃げられないとわかっていたからだろう。
逆に反論すると相手を煽るだけだと。
その後は覚えていない。
深い快楽の海に沈んでいったのだろう。
誰も助けてくれない。
そんな海に。
体が吸血という快楽に蝕まれていく気がする。
その所為で私は壊れていくのだろうか。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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凛猫(プロフ) - つるぎさん» いつも読んで下さりありがとうございます！ (2019年12月16日 21時) (
レス) id: 18f542a8ee (このIDを非表示/違反報告)
つるぎ - 更新ありがとうございます。次の展開が楽しみです/// (2019年12月16日 21時) (レス) id: 07b8e63db3 (このIDを非表示/違反報告)
つるぎ - 頑張って下さい!!終わったらまた更新宜しくお願いします!! (2019年12月8日 18時) (レス) id: 07b8e63db3 (このIDを非表示/違反報告)
つるぎ - 更新ありがとうございます!!それと目次(?)のところに、○○さん/リクエストと書いてくださるとリクエストかお話しか分かりやすくなると思います。 (2019年11月16日 10時) (レス) id: 07b8e63db3 (このIDを非表示/違反報告)
つるぎ - そうなんですか?すみません。でも夢主ちゃん可愛いですよ!ディアラバって感じ(?)がして。 (2019年11月16日 9時) (レス) id: 07b8e63db3 (このIDを非表示/違反報告)
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