愛の告白 ページ10
ハクは珍しく端整なあまり冷たくも見えるその顔に焦りの色を浮かべていた。
「いや、あの夜は別に……」
「別に?」
「見ていなかったっ……」
普段は嘘を吐くのが上手いくせに。
ハクは翡翠の瞳を気まずげに背けた。私はそんな彼を瞳を潤ませて悲しげな顔で見つめてみる。
「ごめん、そうだよね。私なんかの身体ハクは見たくないよね。思い上がってごめん」
「は」
ハクは訳が分からないという風に顔をしかめた。私は更に瞳から数滴の涙を零してみせる。
「私、自分に自信がないの。だから、ハクが私なんかの貧相な身体でも喜んでくれてたんなら嬉しいなって……でも、私って調子扱いてたんだって分かった」
「え……違……」
彼はかなり戸惑っていて、綺麗な翠の瞳が揺らいでいた。私はそれを良い事に更に悲しそうな演技を続けてみる。実は、涙の雫も欄干の渕にあった雨水をさっと指で掬い取ったのだ。
ごめん、ハク!
心の中で手を合わせる。
私は口元に手を当ててハクに背を向けた。
「ハク、今まで迷惑掛けてごめんね。私、やっぱり千尋には叶わないしあの夜だってハクは私となんか嫌だったよね。もうそんなことしないから」
「違う!」
苦しいくらい、身体が密着した。ハクの力強い腕が胸に回っていて、彼の甘い声色が少し掠れて耳元で聞こえる。
「私は、一つになれて嬉しかった。そなたの裸は美しいと思ってあの夜も見ていたよ。願わくば、これからもずっとそなたと身体を重ねて愛を確かめ合いたいと思う」
「え」
――聞きたいことは引き出せたけど、これじゃ逆襲じゃないか!
やっぱり見てたんじゃん、そう唇を動かすこともできなかった。
真赤になってるのを見られないように、頬を両手で覆った。相変わらずきつく抱き締められていて離れることができない。
それに、今日のハクはいつもの清涼な洗濯したての香りではなく何かの香を着物に焚き込めていた。その妖艶な香りに包まれるとなにか色っぽいオーラにやられそうになる。
「や」はカタカナじゃないよ、うん。
「は、はく……なんか、凄い恥ずかしいんだけど……」
恥ずかしさに思わず俯いてしまう。でも私の身体に回されたハクの真白な手が見えて余計照れてしまった。
私の人生で、こんな風に男の人に言われたことって初めてだから。
……うん、まだ15歳だから当然よね?
千尋はあるのかな、と思わず考えてしまった。千尋は私のコンプレックスだった。
いつも彼女には負けていて。
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美音 - なんだろう…美影さんを内山昂輝さんの声で再生してしまうの… (2022年1月10日 7時) (
レス) @page33 id: c6a6e435a8 (このIDを非表示/違反報告)
サリナ(プロフ) - 季紀さん» この書いた作品全てを消して悪女が出る作品を書いてください！m(__)m (2018年4月4日 17時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 感動しましたので一度この作品の削除(変換)して夢主とハクが結ばれる作品を書いてくださいませんか？お願いしますm(__)m (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 紫蘭さん» はい、してます！笑 というかばり白澤様です笑 (2017年1月23日 9時) (レス) id: e2d49320a9 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 間違いだったらすみません……。白澤様がどうして『鬼灯の冷徹』の白澤様にしか見えません(´；ω；｀)← もしかしてモデルにしてますか！？ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 4fa9a25ace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2014年12月28日 22時
