視界良好 ページ35
陰影の濃い瞳に見つめられる。
「つまり･･････」
彼は180センチ以上ある長身を屈めた。
「好きってことだよ」
何が何か分からない。
ただ、彼が顔をくいと曲げ、瞳を閉じた。意外と睫毛が長い。私は視界に彼を捉えたままだった。
程なくして形の違う唇同士が合わさった。舌は入ってこなかったけれど、濃厚に押し付けられる。
10秒程経っただろうか。ようやく彼は1つになっていた部分を離し、瞳を開いて至近距離で私を見つめた。白い頬に赤味がかかり、やけに色っぽい。
かなり背を屈めたのが辛かったのか、腰の辺りを擦っている。
私はただ瞳を見開いて彼を見上げていた。こんなに開くんだっていうくらい。人って驚くとこんなに目が大きくなるんだと思った。
美影さんは私を見た。そして口元を押さえおかしそうに噴き出した。
「なんて顔してんの」
「いや、だって･･････! 美影さ、きききききき･･････」
「キス?」
「そうそれっ」
私は口元を押さえて座り込んだ。床板の年輪を見つめる。
心臓がバクバクいっていた。血管に血が巡るように頬がかぁっと熱くなる。
「Aの唇、美味しかったよ」
「感想を求めてるんじゃないっ!」
照れを隠そうとしてつい怒鳴ってしまった。しまったと思ったけれど、美影さんは気を害していない様子だった。私の不器用な性格を理解してくれているのは助かる。
でも･･････
「何で、あんなこと」
「言ったでしょ。好きだからって」
「･･････ロリコン?」
「僕の場合歳と見た目は反比例だからっ!」」
いや、だって美影さんはミナさんみたいなグラマーな女性が好きだと･･････思う。
恋愛経験が少ないから、美影さんにからかわれているのかそれとも本心を告げられているのか分からない。そもそも彼には馬鹿とかのろまとか千尋の方が良いとか散々言われたし、意地悪も沢山された。だから、私に好意を抱いてるなんて有り得ないと思った。
それに、彼だって千尋が好きだった。
「いやーそんなねぇ･･････信じられませんよ･･････」
私は階段に座り直して膝の間に顔を埋めた。ぷしゅーっと頭から湯気が出て行く気がした。
「信じて下さい」
「信じません」
「信じろっつーの」
「上から目線!」
再び隣に美影さんが腰かけた。今日は1日に色々なことがあって実感が沸かない。
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美音 - なんだろう…美影さんを内山昂輝さんの声で再生してしまうの… (2022年1月10日 7時) (
レス) @page33 id: c6a6e435a8 (このIDを非表示/違反報告)
サリナ(プロフ) - 季紀さん» この書いた作品全てを消して悪女が出る作品を書いてください！m(__)m (2018年4月4日 17時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 感動しましたので一度この作品の削除(変換)して夢主とハクが結ばれる作品を書いてくださいませんか？お願いしますm(__)m (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 紫蘭さん» はい、してます！笑 というかばり白澤様です笑 (2017年1月23日 9時) (レス) id: e2d49320a9 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 間違いだったらすみません……。白澤様がどうして『鬼灯の冷徹』の白澤様にしか見えません(´；ω；｀)← もしかしてモデルにしてますか！？ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 4fa9a25ace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2014年12月28日 22時
