君の本性 ページ3
番台に行き、お風呂掃除用の札を貰ってくる。今日は私とミナさんの担当なのだ。
と、部下に質問をされ指示を返す見慣れた背中を見つけた。話し掛けようとして驚いて立ち止まる。
……あれ? こいつちょっと前までおかっぱだったよね?
ハクは顔周りの長さの足りない顎までの髪束を残し、さらさらの黒髪を一つに縛っていた。確かに最近長くなったとは思っていたけれど、まさか縛っても違和感がない程だったとは。
部下が頭を下げて去って行き、ハクがこちらを振り返った。彼は私に気が付き、微笑んで歩いてきた。
「Aか、おはよう。昨日はよく眠れた?」
「いや、それより……あんたその髪どうしたの?」
ハクは一瞬「?」という顔をしてからようやく分かったようで髪に手を伸ばした。
「最近切る暇がなくてね。気が付けば長くなっていて、邪魔臭いから縛った」
「ハクがおかっぱ以外のとこ、初めて見た」
物珍しくて彼の背中側に回り込み、束ねられた髪の毛をよく覗いてみる。よく櫛目が通っていて少しの乱れもない所が几帳面な彼らしい。
それと、今まで髪に隠れていた白いうなじが露になっていて色っぽかった。
「似合わないか?」
「ううん、良いと思うよ。ハクはどんな髪型しててもかっこいいんだって分かった」
「……もう、何故そなたは私の心を惑わすことばかり言うかな」
大きな掌が伸びてきて、私の頭をポンポンと叩いた。赤味の差した白い頬を見て温かい気分になった時、不意に彼の肩を先程の部下が叩いた。
「ハク様、すみません。やはりどんなに計算しても経費の合計が合わなくて……」
「おい、もう3回目だぞ! 一体そなたは何度言えば分かるのだ!? もう良い、私に貸してみろ!」
ハクが咄嗟に繊細な眉を釣り上げて部下を振り返った。人相が変わっている。端整なだけにその顔が物凄く怖くて、私もハクの部下もひぃっと息を飲んだ。
私、今彼氏さんの本性を垣間見ちゃった気がするよ。
ハクはチッと舌打ちをしてから私の存在を思い出したのか、しまったという顔をした。それからにこやかな笑顔で私を振り返った。
「(人1)、これから私は少々手間のかかる用件を片づけなければならないからそなたは仕事に行って来なさい。ミナの言う事を良く聞くんだよ」
「は、はい」
今更隠しても遅いよ……
怒鳴った所を見てしまっただけに少し恐縮して答えると、ハクは目を伏せて溜息をついてから私に微笑みかけた。
頭を下げ、彼に背を向けて歩き出した。
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美音 - なんだろう…美影さんを内山昂輝さんの声で再生してしまうの… (2022年1月10日 7時) (
レス) @page33 id: c6a6e435a8 (このIDを非表示/違反報告)
サリナ(プロフ) - 季紀さん» この書いた作品全てを消して悪女が出る作品を書いてください！m(__)m (2018年4月4日 17時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 感動しましたので一度この作品の削除(変換)して夢主とハクが結ばれる作品を書いてくださいませんか？お願いしますm(__)m (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 紫蘭さん» はい、してます！笑 というかばり白澤様です笑 (2017年1月23日 9時) (レス) id: e2d49320a9 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 間違いだったらすみません……。白澤様がどうして『鬼灯の冷徹』の白澤様にしか見えません(´；ω；｀)← もしかしてモデルにしてますか！？ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 4fa9a25ace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2014年12月28日 22時
