Cooking Dragon ページ7
「ッ……!」
それを一口薄桃色の唇に含んだ途端、愛しのハク様は翡翠色の目をカッと見開いた。
「ハク……それ、どう……？」
私はドキドキしなが、訊いてみる。
ハクは、返事しようと口を開きかけて、ゴホゴホと咳き込んだ。
「ちょっと、大丈夫!?」
慌てて背をゆする。ハクは苦し紛れに肩で息しながら私を振り返った。
「しょっぱい……」
それだけ言うと、流しまで歩いて湯飲みに水を満たして飲んでいた。
そんなしょっぱかったかな。分かんないんだけど……。
ハクが振り返って、それからは怒涛のごとく説教が降り注いだ。
「そなたの舌は味蕾が全て削げ落ちているんではないか!? 塩分濃度がおかしすぎる! 将来高血圧で死ぬぞ！」
「味蕾はなくなったんならそれはこの前ハクがDキ スして来たせいじゃない?」
「気色悪いことを言うな! …もう、湯屋に来たばかりの純粋なAはどこへ行ったんだか…」
ハクはぶつぶつ言いながら、私の作ったお吸い物に大量のお湯を足し始めた。そこまでやられると流石に傷つく。そなたの料理の腕を知りたいとかハクに言われたからやってみただけなのに。
「いいか、お吸い物というのは、一口目に飲んで味がないのではないかと疑い、二口目であれ、味するぞと思って、三口目で美味しいと感じるものがベストなんだ」
今ベストって言ったぞ。ベストだってよ。
ハクは小さな皿にお吸い物を掬い、そっと唇に含んだ。それだけの動作でも、ハクを取り巻く全てが何だか色っぽくて、見ているこっちが照れてしまう。工 ロい。
「ほら、これでどう?」
ハクが皿を差し出してきた。えっ間接キスじゃない、とかウブめいたことを考えてしまうのはまだ私がまだまだ小娘だからだろうか。
まぁ、胸の中できゃっとか頬を押さえながらも皿を受け取る。
あつあつのそれを飲んでみた。言われたように、一口、二口、三口。
「! 美味しい…」
「だろう?」
自身の腕を褒められてハクは満足気だ。悔しいけれど、元が私の作ったものだったなんてとても思えない。
「まぁ、Aがこれを疲れるようになるのはまだまだ先だろうけどね」
あれ、何だかカチンときたぞ。
「…あるもん。私にだって、得意料理」
「え? 嘘だろう?」
「あるよ、超超超美味しいA特製のが」
振り返ったハクを見据える。というか見上げる。
ハクは鼻で笑いでもしそうな表情だったが、やがて頷いた。
「じゃあ、作ってみな」
あっ、しまった。
そう気付いてももう遅い。
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季紀(プロフ) - 一葉さん» 3周も読んでくださる方がいるなんて、感無量です（ ; ; ） 感謝の気持ちで一杯です☺︎ ありがとうございます！ (2022年6月19日 20時) (
レス) id: 597a075cd6 (このIDを非表示/違反報告)
一葉(プロフ) - 見てるこっちもキュンキュンして、かれこれ3周目です笑この様な最高の作品を作ってくれてありがとうございます😍 (2022年6月19日 19時) (レス) @page49 id: 85091bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - Sakuryaさん» まだ見てくださっている方がいると思わなかったので本当に嬉しいです。中学生の時に書き始めてついに大学生になってしまいましたが、大学は暇なので沢山ネタを考えているのでその都度更新していこうと思っています。笑 応援ありがとうございます。 (2019年6月6日 13時) (レス) id: 8fd0d878f8 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 雪華さん» 暫く書いていないので文章も拙い中そんな風に言っていただけで嬉しいです。雪華さん何度もコメント欄？でお見かけした覚えがあります。いつもありがとうございます。 (2019年6月6日 13時) (レス) id: 8fd0d878f8 (このIDを非表示/違反報告)
Sakurya(プロフ) - 更新されたと通知があり、ものすッッごく嬉しくて！！今後もこういったかたちでいいので、私生活に支障が出ない程度に頑張ってください！ジブリのハクを好きでいてよかったと思える作品です！！ (2019年6月5日 21時) (レス) id: e0447573e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/catsong2/
作成日時：2015年8月17日 23時
