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「天と地の神と、精霊の名によって、いま時を戻せ」
目の前が淡く輝きだし、ガラスの破片が優しい光に包まれた。すぐに、キラキラと光を振りまきながら一つになって、気づいた時には目の前に額縁が完全な姿を取り戻してあった。
先程まで悪意に満ちていた空間に、感心したほおーっというどよめきが響く。
私は胸をどきどきさせながら後ろを振り返った。
「3か月ただ働きしなきゃいけない所だったね」
そこには、ハクが優しい笑みを湛えて立っていた。
私は泣きたくなって彼を見つめた。
「ハク、戻ってきてくれたのっ……」
「ちょ、A」
「ありがとうッ……」
四方八方悪意ある人たちに囲まれていたのに、突然味方が来て助けてくれたことがとても嬉しくて。私は思わず顔を両手で覆った。
ハクが戸惑いながら私の肩に手を回した。
「すまない、この通りだから上司には上手く言っておいてくれないだろうか？」
周りにいる蛙男や湯女たちは合点だとばかりに頷いた。
「もちろんです。任せてください！」
「ハク様は奥さんを落ち着かせる方に回ってくださいまし」
ちょっと今奥さんとか言ったの誰だ。
どうやら、皆普段キツいハクが狼狽えてるのを見て同情してくれたらしい。ツンデレの特権てやつだ。
ハクは私を近くの使われていない小部屋へと連れ込んだ。
「どうしたの、A。泣く程辛かった？」
「うん、ちょっと……」
「いやなことを言われた？」
「それは、なくはないけど……。それより、ハクが戻って来てくれたことが嬉しかったの。まだ帰ってこないと思ってたから」
「……ごめん」
「ほんとよ。でも、嬉しかったから許すわ」
私は、涙を拭ってからハクの首に両手を回した。
目の前に見えるハクは、相変わらず透き通るような肌をしていて、揺らめく翡翠色の瞳が美しかった。
お願い、どこにも行かないで。
「A……」
彼の頬が、ほんの少しだけ赤く染まる。
あれ、と思った時にはハクと唇が重なっていた。
何度も、下唇を噛むようにキスをされて息が止まる。体中の力が抜けて、私はゆっくりと背中から床に倒れていった。彼の首に、腕を回したまま。ハクはその私に覆い被さった。
ようやくキスの雨から抜け出して、私は息を絶え絶えにしながら彼に訴えかけた。
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季紀(プロフ) - 一葉さん» 3周も読んでくださる方がいるなんて、感無量です（ ; ; ） 感謝の気持ちで一杯です☺︎ ありがとうございます！ (2022年6月19日 20時) (
レス) id: 597a075cd6 (このIDを非表示/違反報告)
一葉(プロフ) - 見てるこっちもキュンキュンして、かれこれ3周目です笑この様な最高の作品を作ってくれてありがとうございます😍 (2022年6月19日 19時) (レス) @page49 id: 85091bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - Sakuryaさん» まだ見てくださっている方がいると思わなかったので本当に嬉しいです。中学生の時に書き始めてついに大学生になってしまいましたが、大学は暇なので沢山ネタを考えているのでその都度更新していこうと思っています。笑 応援ありがとうございます。 (2019年6月6日 13時) (レス) id: 8fd0d878f8 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 雪華さん» 暫く書いていないので文章も拙い中そんな風に言っていただけで嬉しいです。雪華さん何度もコメント欄？でお見かけした覚えがあります。いつもありがとうございます。 (2019年6月6日 13時) (レス) id: 8fd0d878f8 (このIDを非表示/違反報告)
Sakurya(プロフ) - 更新されたと通知があり、ものすッッごく嬉しくて！！今後もこういったかたちでいいので、私生活に支障が出ない程度に頑張ってください！ジブリのハクを好きでいてよかったと思える作品です！！ (2019年6月5日 21時) (レス) id: e0447573e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作者ホームページ：http://nanos.jp/catsong2/
作成日時：2015年8月17日 23時
