Only Youのスマイルを ページ9
季紀は 色を 変える 技 を 覚えた ！！
*
最近私に元気がないのを気遣ってか、兄役が暫くは橋の前での客の呼び込みに私を指名してくれた。この仕事は楽な方に分類されるけれど、テンションが下がり気味の私が笑顔を作るのは正直辛かった。
「お客様ぁ、湯屋ではこのリカにご贔屓を!」
「おお、リカは相変わらずのべっぴんだな」
「もう、照れますよ!」
隣でお客様に腕を絡ませるリカさんを見て流石だなと思った。湯女はいくら自分を繕うとはいえ、私にはあそこまで上手に演技することはできない。いや、彼女は普段から色っぽくて綺麗な人なのだけれど。
お客様が通り過ぎると、私は溜息を吐いて徐々に真顔に戻った。夕暮れ時の時は正面入り口にお客様が殺到するのでかなり混み合う。町の向こうでは次々と船が到着していた。
……この世界を恐ろしく思った時もあったっけな。
思い出に浸りそうになった時、お客様との話を終えたらしいリカさんが周りに聞こえないよう小声で話し掛けてきた。
「(人1)、アレは来た?」
「……いいえ」
溜息を吐いて答えると、リカさんは小さく頷いて私の肩を叩いてくれた。
「そう……。私、ハク様に一緒にお話しに行きましょうか?」
「大丈夫です! ハクに知られたくないから」
「でも、いずれはお耳に入る話よ」
「……まだ、大丈夫です」
「月日が経ってからでは取り返しがつかなくなるわ」
「……ハクは千尋の婚約者だもん……」
改めてその言葉を口に出すと、何だか泣きそうになってしまった。私の様子を見て、リカさんも察してくれたのか口を噤んだ。
場の空気が重くなった時、お客様がいらっしゃるのとは別方向、つまり湯屋の方から誰かに肩に手を掛けられた。落とし物をされる神様は結構いらっしゃるので、私は咄嗟に顔に笑顔を貼り付けて振り向いた。
「はい、何でしょうか――」
振り向いた所にいたのは、長身で痩せた男の人、美影さんだった。彼はこの前とは違い和服に戻っていて、私を見ると不愉快そうに眉間を寄せた。
「やめてよ、僕にはそんな営業用の笑顔なんて向けないで」
「でも」
「嫌なの」
「……はい」
笑顔でいるのをやめろなんて注文中々ないけれど。
私は戸惑いながら普段通りの顔に戻った。すると美影さんはこれで良しと頷いてみせた。
「で、2人は何の話をしてたの?」
「え」
「やけに小声だったよね。僕の嫌いな奴の名前が頻繁に出てたけど」
……聞かれてたのか。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
