大人っぽい? 贈りもの。 ページ46
「……え?」
それだけ言うとまた前に向き直ってしまったので、私は手の中へ視線を落とした。小さな袋のようなものが沢山。ゴム手袋が小さくなったような……と、私は以前にもこれを見たことがあるのを思い出した。確か、友達の家へ行った時だったか。彼女の姉の引き出しからこれが出てきて二人大騒ぎしたものだった。
裏側に印刷されているのは、現世ではかなり有名なゴム会社のロゴマーク。これはもしかして、いやもしかしなくても……やっとそれが何なのか分かり、一気に血流が良くなって赤面した。
「何、これ?」
ふと温かい人の気配がして、すぐ左上から美影さんが私の持っているものを覗き込んできた。髪が頬に触れ、私は驚いて飛び上がった。掌を握りしめてそれらを隠す。もっとも、量がありすぎて指の間から飛び出ていたけれど。
「嫌っ、見ちゃ駄目! 白澤様、これいらないッ返す!」
遠くなった背中に呼びかける。だが、歩き出そうとして指の間から一つそれが落ちてしまった。拾おうとして屈むと、次から次へと零れてゆく。私はパニックになって涙目になりながらそれを拾おうとした。と、美影さんが屈んで床に落ちた一つを手に取った。
「あっ、駄目、返してっ!」
慌てて飛びつくが、彼はじっくりとパッケージを裏返して見つめてからそれを着物の懐に入れた。そうか、現世によく行っているからよく知っているのだろう。それはつまり現世の女性とそういうことをしたという意味を醸し出すのだが、焦っている私にそれを気にする余裕はなかった。
美影さんはついでに私が床にばらまいた数個も拾ってから、白澤様に向かって手を振った。
「ありがとう。貰っとくよ」
もう湯屋の廊下の端まで行った白澤様は、振り返らずに手を肩越しに挙げてそれに答えた。私は歩き出した美影さんに慌てて縋る。
「ねぇ! こんなの返そうよ!」
彼は不思議そうに私を振り返った。
「何で? せっかく貰ったんだし使おうよ」
「つ、使うって……それって……」
「そのうち、必要になるでしょ」
さらりと言い放ち、彼は再び前を向いて歩き出した。残された私は遅まきながらその言葉を理解し、先程以上にかっと顔に朱が広がるのを感じた。
*
かつての自分の弟子。婚約報告にやってきた時の表情が未だ脳裏に焼き付いていた。あいつは、本当はAちゃんを諦めきれてないんじゃないだろうか。
「……僕はあの子とハクが一緒になるのが一番良いと思うんだけど」
そんな白澤の呟きを聞いた者は誰もいなかった。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
