幸せは想像の中で ページ31
変なの、さっきまで不安だったのにハクの子供というだけで、大切に思う気持ちがじわじわと滲んでくる。こんな歳だし、自分が子供に愛着を抱くことはないのではなかろうかとさえ考えていたのに。
……男の子だったら、毎日外で遊んで色んなおもちゃも買ってあげる。
女の子だったら、可愛い服を着せてあげて、一緒に料理を作りたいな――もっとも私は料理は上手くない――それで、夕食の準備をしているところに仕事を終えた旦那さんが帰ってくる。子供が玄関まで走って行って、私は鍋を中火にしてから後に続く――
そこまで考えて、私は想像の中で出迎えた人の顔を見て、いや気が付いてハッとした。それは結婚を約束した美影さんではなかった。もっと、きつい目つきをしていてでも口元は柔和に微笑んでいる……ハクだった。
突然冷たい草原の風を全身に感じ、私は身を震わせて上を見上げた。そこには少し腕が疲れた様子のハクがいた。
何で彼なんだろう。悲しくなって泣きたい気分だった。
彼には千尋がいる。私には美影さんがいる。おまけにハクと千尋は正式な婚約者だ。
……2人の婚約のきっかけだって私は知らないというのに。
ふと、彼の表情が曇っていることに気が付いた。不思議に思って見つめると、彼は私の衣服の裾を元に戻しもう起きて良いよと言った。起き上がる時に背中を支えてくれる。私はベンチに腰掛けて彼を見つめた。
「……赤子は、いないようだ」
心なしかハクの表情は残念そうだった。私は、折角水面へと浮かび上がってきた希望の気泡がぷつんと消えてゆくのを感じた。
変なの、喜べば良いはずなのに。安心するはずなのに。いや、安心はした。でも、何かがガラガラと崩れてゆく。子供がいれば良かったのに、と期待が裏切られて拗ねる気持ちが芽生える。
感情を無理に隠そうとしたせいか、私の声は上ずり震えていた。
「そ……そうなんだ。一安心だね」
「……」
ハクは黙って膝を突く姿勢から立ち上がり、私の隣の余白に腰掛けた。その姿は心が伴っていないようで空っぽに見えた。
「……Aは、何故私と千尋が婚約したか知っているか?」
そう尋ねられて私は首を横に振った。
「そうか。なら、良い」
ハクは何故か苦く笑った。そして、じっと私の目を見つめた。息の詰まるほど間近に翡翠の瞳が見えた。あまりにも久し振りで、何故か懐かしく感じた。
思わず私が手を伸ばそうとした時、ハクが口を開いてそれを遮った。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
